01-06「【獣の軍(アーミー・デ・ベスティエ)】」①
①
こうしている間にも【獣】を司る人造勇者が
(「あれ」を使うしかないないわね……!)
人造聖剣は覚悟を決める外《ほか》なかった。
「【獣の
絞り出すような声で人造聖剣がその言葉を口にする。
その刹那。
突如【獣】の群れが出現した。
そして。
六百六十六の【獣】が【暴力】を司る人造勇者目がけて殺到する。
圧倒的な数と圧倒的な殺傷能力を持つ【獣】の群れが。
その存在を前に例え【暴力】を司る人造勇者といえど無事で済むはずはない。
勝った。
ノインツィアはそう思った。
しかし。
【暴力】を司る人造勇者はその次々と襲い来る【獣】の群れを尋常ならざる速度で殺していく。
「ハッハー! 楽しませてくれるじゃねェか!!」
(これが……これが【暴力】を司る人造勇者の力だというの……!)
目の前で信じられない光景が繰り広げられている。
ノインツィアは驚愕せずにはいられなかった。
だが、ただ驚いてばかりではいられない。
まとまった数を保っている内に打開策を考え実行せねばならないのだ。
人造聖剣の頭脳は高速で回転することを強制された。
(……こうすれば……。でも……!)
考え得る最善策を必死になって見つけようとする人造聖剣。
だが、そうしてる間にも【獣】の数は見る間に減ってゆく。
一体一体が下級の魔族程度なら瞬殺できる力を持っているその【獣】を【暴力】を司る人造勇者は僅か一撃で複数体屠っていく。
その力は正《まさ》に最強を名乗るに相応しい。
殺到する【獣】の群れ。
それに紛れてそこに【獣】を司る人造勇者の姿があった。
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