第3話 妹に彼氏を……


 妹の家族愛が重すぎる……母さんが殆んど帰って来ないのでその愛は全部僕にのし掛かってくる。


 そこで僕は一つの結論を導き出した。


 妹の家族愛をその重すぎる愛を違う愛で分散すれば、発散すれば良いと。


 普通の、愛……そう……恋愛にすれば良いと、僕はそう結論付けた。



「なあ、舞……舞ってさあ……彼氏とか作らないのか?」

 いつもの様に休日は家のリビングにいる俺と舞……子供の頃からの習慣なので部屋で過ごす事ははあまりない。

 以前は二人でゲーム等をしていたが、今はテレビを見たり映画を見たりスマホを見たりしながら、妹とただただ、だらだらと過ごすだけだ。


「は? 何それ? お兄ちゃん気になるわけ?」


「いや……ずっと家にいるし……」


「お兄ちゃんだってそうじゃん、人の事気にする前に自分の事気にしなさいよ……私はそういうのに興味無いの~~」


 いや……だって気になるよ……あんな行動していたら……。

 今までの怪奇現象が全て妹だと仮定すると、妹よりも先に恋人なんて出来たらどうなるのか? 


 僕は恋人が出来ても妹に対する態度は変わらないとは思っている。

 でも、こうやってリビングでまったりする事は少なくなるだろう……。


 妹より先に僕が恋人を作るっていうのはまずい気がする……なぜだかそんな気がするんだ。


 まあ、そもそも恋人どころか、女友達もろくに出来た事無いので、そんな心配は今のところ皆無だけどね。

 

 なので妹に彼氏が出来る事が理想なんだけど……全く作る気は見られない。


 勿論僕は兄だ……妹の彼氏にはなれない、兄妹で恋愛なんて小説の中だけの話だ……そんな事はあり得ない。


 現状を打破するには、妹に彼氏が出来る事が一番理想的だと、そう思っている……けど……でも……今話した通り妹は何故か頑なに彼氏を作ろうとしない……。


 絶対にモテる筈なのに……なのでこうやって休日はいつも一緒に過ごしている。


 まあ、いつもまったりリビングにいるだけではない、妹は何かと僕を誘い買い物に出向いたりしている。


 勿論断れない……断ると怪奇現象が起きるから……まあ妹がしているのだけどね。


 この現状をどうにかしないと……とは言え……どうすれば良いのか全くわからない……。

 僕の目の前でソファーに仰向けで寝そべりスマホを弄くるミニスカート姿の妹を見て僕はため息を一つついた。

 

 


 

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