12月28日 人間の恋愛
この万年筆を買ってよかった。本当に書きやすい。書きやすいというのは、物理的にもそうだが、気持ち的にもそうだ。さらさらとインクが出てくるのが心地良くて、もっと書こうという気分にさせてくれる。手書きで書くと、スラスラとまるで口から出る言葉のように思ったことをそのまま書くことができるのだ。自分の本当の気持ち、本音をそのまま包み隠さず表現できるような気がする。そしてこうやって字の丁寧さなど気にせず書きなぐることで、自分の心の中の張りつめた何かがほどけていくような気もするのである。
ふと、ユイのことが頭をよぎった。彼女も、自分のことをここまで想う人間がいるとは思ってもいないだろう。……今頃どうしているのだろうか。……声が聞きたい。姿を見たい。会いたい。この前のようにまたメッセージが来ないだろうか。……あぁ、吐き気がする。
こんなにも誰かを欲したのは久しぶりだった。長らく忘れていた、恋の苦しみというものを思い出したのだ。……こんなに。恋というものがこんなに苦しいとは。
私はどうすればいいのだろうか。彼女の身体に触れたい、と思ってしまうこともある。だがあくまでも私の理想とする恋愛は、肉体とは一切関係のない恋愛なのだ。純粋な心の、心だけの交流。それこそが真の、人間の愛の形だと思うのである。
恋の狂気 ~ある女の日記~ 赤星アヤメ @akaboshi000
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