もう少しだけ、友達でいよう。



 


日常の守護者たちが敗北し、力と欲望によって支配された社会。

「エンドライン(限界線)」と称されたその世界は、ついにその淵からも滑落した。

最終戦争後、地球は渇いた死の星と化し、文明は崩れ去った。

もう何も無くなってしまった。これからも生まれない。








「……『それでも、人生は続く』。意地の悪い文句だと思わないか? バッドエンドのあとの世界に永遠に閉じ込められたようで。タイトル画面いっぱいに、ゲームオーバーと書かれてるようで。だがあなたたちは最初から分かっていたはずだ。何かが変わるから、この物語が用意されたということを」




「あなたたちの手で彼らがこの世界に息吹いた瞬間から光が差し始めた。それは壁の亀裂が広がっていくように、暗闇に走る稲妻のように、未来へと無数の枝を伸ばしていった。そして光を受けて影ができるのと同じに、ふいに登場したかに見える彼らにも過去や隠された真実が根付いたんだ。それこそあなたたちの想像さえ追いつかなかったくらいのな」




「……たとえあなたたちの手を離れても、彼らは世界を救うだろう。と、言ってしまったら、拍子抜けか。それとも予想はとっくについていた? ああ、僕はあなたたちを視ることはできるが、そちらの声までは聞こえなくてな……まるで独り言を言ってるみたいだろう。かはは、そう思うとちょっと恥ずかしいぞ」




「あなたたちには感謝している。彼らの目を通して、この世界を知ってくれてありがとう。まだ終わってもいないのに、こんなことを伝えるのは変かもしれないが……さて、僕からはあと二つだけ、言っておこう」






もう何も無くなってしまった。これからも生まれない。

それでも、人生は続く。

終わった世界で、人生は続く。




「それは違う。終わってなんかない。人の世界は、今も素晴らしい。ふふ、これ、完全に口癖みたいになってるな」



「だから、『それでも』なんて否定的な言葉は似合わない。この物語が終わっても、彼らは生き続ける。あの日自分たちは世界を救ったんだって、嘘みたいな思い出話になる日がきっと来る。だから、締めくくるなら、こうなんだ」





「――――……『そして、人生は続く』と」










ダブルクロス The 3rd Edition キャンペーンシナリオ『The Sandy Planet』




第3部『And life goes on』


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DX3rdオリジナルシナリオ「The Sandy Planet」関連 配線 @haisensan

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