<考察2>ねぇ信玄、塩送るからさぁ何かちょうだいよ

簡単に調べたうえではありますが、謙信と信玄の間に「何かを交換する」と言う親交を深めた記載のある書籍は有りませんでした。

時は戦国時代、同じ相手と五度対決したという「川中島の戦い」の事実からして仲良く出来る筈はありません。わたしでも同じになると思います。

なので「敵に塩を送る」という行為がさもさも「上杉謙信」の所業の美談である様に伝えられていますが、本当かどうかは疑わしいです。もし仮にそうであるとしたら、軍事的な目的での「戦略」の一つだったかも知れません。

越後国(現在の新潟県全般)は海に面している為、当然ながら塩は取れるでしょう。塩分は生きてく上で必須のものです。片や信濃国(現在の長野県全般)には海がありません。今でいう所の「海なし県」です。地理的に限定すると「信玄は塩が欲しい」のでしょう。ですが、越後国は米どころなので「稲作が栄えて欲しい」という願望があったと思います。稲作による「米」は日本では主食ですので、当時の君主でなくても取れ高は毎年気になります。現在も農家さんはそうです。江戸時代の大名が治めた国のランク付けにも米の取れ高を表す「??石」という評価になるくらいだしお金の代替物であった事も事実です。

信玄も米の取れ高や塩の事は気になったでしょうが好戦的である性格上、「塩なんて海沿いの国を奪取すればいい」と考えていたかも知れません。それが越後国に攻め入ろうとした理由だった可能性もゼロでは無いでしょう。

もしあるとすると、「米(謙信)」と「何らか(信玄)」ではないかと思います。信玄が「何らか」を用意するならば、「??」でしょう。また、謙信が「米」と交換したいものと言えば「??」かも知れません。

その両者の「??」とは何なのでしょうか?

わたしの予想だと、謙信は物品ではなく「治水」に関連する何かだと思います。

越後国は現在の千曲川・信濃川のお陰で「稲作」が出来ています。それは現在でも変わりません。とどのつまり「越後国で稲作が出来ているのは大きな川のお陰」です。その川の源流は「信濃国」にあります。なので、「信濃の川が無ければ越後国の稲作はどうにもならない」のです。

今のネタで「京都府の水は滋賀県の琵琶湖の水を引いているんだから」なんて事も聞きますね。それと似ているんじゃないかと予想できます。 「治水」を貰う訳には行きませんので、謙信は「治水」に関係する何かを見返りにしたのではないでしょうか。

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