第6話 何処からか来たんです。

まずは、

騒ぎに駆け付けた王宮騎士部隊にオーティ達を

婦女子暴行と生き物虐待(多分)として引き渡し、

後を副隊長モーヴに任せた。


「面倒事は年寄りモーヴにお任せあれ」


何故か

いい笑顔で颯爽と王宮騎士部隊と去って行く。

ベラドンとグリシーヌに部下達の

功労会と称した宴に行かせる事にした。


「少々お堅いリヨンが居ないと皆が

のびのび楽しめるから気にするな」


グリシーヌは報奨金を

気楽に使えるといつもに増して上機嫌だな。


「一応、

グリシーヌと一部は見張りますがね、

まあ、どうぞ気を付けて。」


ベラドン何だ怖いんだが。

ブルエも他の部下もニヤニヤして何だか変だ?


「綺麗な方ですよね、いいな〜」

「隊長の心眼美さすがです」


まて、何か勘違いしてる気がするぞ。


「まっ、、」


「置いて行くぞ〜」


グリシーヌの一声で

一斉に部下達が去って行った。


・・・。

ディアーブルの発言の所為だ、

歯がゆいが……否定仕切れない


多少は!乳に目を奪われた。

男なら普通の反応だ!


ブツブツと呟くが気を取り直して

抱き抱えた青白い女の顔を眺めフジェを

待ちながらディアーブルの言葉を考えていた。



女が崩れるように倒れるから慌てて抱き抱えると

ディアーブルが鼻先を女の頭に近づけ


「リヨン」

「何だ?」


「この女は違う所から来た。」

「別の街か?」


「違う」

「他国か?確かに見かけない身なりだが。」


「違う、もっと遠くだ。」

「簡潔に頼むよ。

他国の奴隷か?国家に関わるなら面倒だ…。」


「違う、

異世界か…とにかく違う世界に居た人間だ。」


「…本当か?いつもの冗談じゃないのか?」


緊張した表情のディアーブルは頷き、そして…


「後、生娘だ。」


「……何の関係が……」


怪訝な顔をすると。


「リヨン、手を出すなよ。

気に入った女だ唾も付けたぞ

でもこの身体じゃ世話が出来ない。」


「世話って?」


「海から来たみたいだ、潮まみれで

身体も冷えてる。洗って暖めろ。

風邪引いたら可哀想だろ?頼むぞ!」


まるで、捨て猫でも世話させるかの様に

サラッと言って飛び立ち頭上から


「フジェに迎えに来るよう頼んで来る、

絶対に女に手を出すなよ!」


念を押す様に空中で叫び山の方向へ飛んで行く。

いつもの不敵な笑みで何度も釘を刺しやがって…。


ニヤニヤしながら消えた

部下達を思い出してため息をついた。

ただでさえ、何かと女に関して言われている。

これ以上何と言われるのか考えたくもないが

……どんなネタにされるのかと

また大きなため息を吐く。

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