第25話

 ジイジの家から帰った次の日、ひとりでいつものようにポピをつれて散歩に出かけます。するといつものように向こうのほうからマキちゃんがロンをつれて歩いて来ました。

 ポピは4日ぶりにロンを見てちから強く走り出しました。

 リサちゃんはポピの駆け出す後ろ姿を見て一瞬目を疑いました。ポピがまったくびっこをひいていないのです。リサちゃんは涙が出るくらいうれしくなりました。

(治ってる。ポピの足が治ってる)

 リサちゃんは笑顔になってポピと一緒に走ります。

「ああッ、ずいぶん元気になったね」

 マキちゃんもポピの足に気づいたようです。

「ずいぶんよくなったよ。心配してくれてありがとう」

 リサちゃんは笑顔でお礼をいいました。

「じゃあ、きょうから少し長く一緒に歩けるよね」

「うん。あのね、今度ポピの足がよくなったら、ポピのママに会いに行くの」

「へーえ、ポピがお母さんに会うんだ」

「そう。だって産まれて少ししか一緒にいられなかったから、きっと会いたいと思うの」

「そうだよね」

 楽しそうに話しながら、ふたりはオレンジ色に染まった夕空の下を歩きはじめました。



             (了)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

リサちゃんとびっこのポピ zizi @4787167

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ