2日目-2

『オーケー、カケルくん。今日も一日お疲れ様。さて、今日の答えを聞かせてもらおうか。生きのびるために、必要なことは、何だと思う?』

 サカキダ室長は、今日も上機嫌だ。ムカつく。しかし、今日は輝かしい創世記の1日目だ。嘘いつわりなく答えて帰還を決めたい。地球に帰りたい理由ができたんだ。


「……希望」


『……悪くない。でも残念ながら抽象的だ』

「具体的な方がいいんですか」

『2日目だ。ヒントがあってもいいだろう。具体的な方が望ましい』

「わかりました、訂正します。答えは、永久脱毛です」

 沈黙。義姉が、頭を抱えた。

『……それが、君の答えでオーケー?』

「ぼくにとっては、そうです」

『嘘をついていない、本音であることを評価しよう。しかし、OUT。帰った後のことは、今は役に立たない。心の支えとかでなく、君の生き残りスキルを見たい……おっと、喋りすぎてしまったようだ。必要なものは、何かあるかな?』

「ぼくはないです、お義姉さんは?」今度は忘れずに聞く。

『……ないよ』義姉の声は少し元気がなかった。

 がっかりされたんだ。ぼくがふがいないからだ。そしてぼくが気持ち悪いからだ。

『オーケー、本日の通信はこれで終了する』





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