第7話 塵の山
俺は久しぶりに風を見て驚いた
「強くなったな」
風は何か言いたそうだった
「わかりますか」
わかる全部わかるよ、ずっと一緒にいただろ、
「私の言いたいこと」
思わず笑ってしまった
「うん」
もちろん風も俺のことはほとんど知っている
「私は心殿から神酒殿に“移ります”」
槙が音を立てている、
「ほらっ」
もう形の違う鞘を渡した
「心殿!」
それが初めてだった、
「真打、焔には俺から伝えておく」
沢山泣いていいんだ
「いままでありがとうございました」
くしゃくしゃになった顔を向けたくれた、俺も堪えるので必死だった
「また会おうな」
これが感動と悲しみか、心に開いた穴が埋まった気がした、
「阿修羅行くぞ」
阿修羅は俺の横に来てくれた
「神酒、また会いたい」
今度はあいつと話してみよう
「私もまた話したいです」
軽く地面を蹴り夜空へと飛び出した
「阿修羅次はどこに行きたい」
もう我慢でき無かった
「もう良いのだぞ、心」
その夜は風が強くて植物が泣いていた。
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