第11話

『私は猫を殺したことがある。NHKの跡地で虫を探して遊んでいると猫が寄ってきた。人懐っこい猫で私が触っても逃げなかった。猫を撫でていると、手になにかぶよぶよとしたものがあたった。内臓だった。猫は内臓を露出させていた。猫は逃げる体力すらないんだと思った。腹からこぼれた内臓を見て、私はこの猫はもう長くないと思った。私は落ちていた石を拾って猫の頭を思い切り殴った。楽にしてやろうと思った。猫はギャっと叫ぶと走り出し、しばらく走ると倒れて動かなくなった。』

 これはターニングポイントだった。

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