経緯 ~何を思って暴挙に及んだのか~
さて、暴挙と書きました。自分も電子書籍をだしたいと思って読んでくれている方にはやや刺激的な表現かもしれませんが、知名度がなく宣伝媒体も持たない人間が個人出版をするというのはまあ暴挙なのではないかと思います。
純粋に自分の小説をより多くの人に読んで欲しい、という方はウェブ投稿や賞応募を頑張る方が良いと思います。勝手な妄想ながらAmazonではそもそも素人の自己出版本を読んでやろうという読者自体が非常に少数派なのではないでしょうか。金銭的な面に関してもカクヨムでは収益化の試みも始まりましたので、お金が少しでも欲しいという方もなおさらカクヨムで頑張るべきでしょう。
ではなぜお前は自己出版したのだ? ということになる訳ですが、理由としては2つほどあります。
1つはシンプルに「やってみたかった」からです。自分の作品があのAmazonのストアページに並ぶなんて憧れるじゃないですか。“自己”じゃない出版でそうなるように頑張れよって話ではありますが。とはいえ好奇心で行動することをやめると発想も枯れるような気がするので、これは大きな理由でした。
2つ目は作家として活動できる場の模索です。言うまでもなく世の中が大きく変化している昨今ですので、ウェブ投稿という場ももはや新しいものでもなくなってきています。簡単に、初期投資なく電子書籍がだせる場があるというのであれば、様子を見てみたいという観測気球です。
そういった理由があったのですが、その
すぐにできる、とは書きましたが、軽く調べた時点で1つハードルがありました。イラストです。
私は自分が書いている小説はライトノベルという認識でいるのですが、一般的なライトノベルの定義の1つとして魅力的でキャッチ―なイラストが付属した小説というものがあるかと思います。そして実際ライトノベルの自己出版について調べると、どうやってイラストを依頼するか、またその時の報酬相場は、といった内容がでてきます。
これはハードルです、困りました。上述していますが、今回私は結構軽い気持ちで始めています。手段の問題もありますが、初期投資が発生してしまうのは特に困ります。
個人的な感覚の問題ですが、金銭的に差し引きゼロなら失敗ではありません。むしろ経験を積めた分成功とまでいえます。しかし初期投資してしまうとその金額分回収できない限りは自己認識上失敗として残ってしまいます。そもそも金銭的な回収の目途がないとできないのであれば、理由その2が完全に潰れてしまいます。
しかしここで気付きました、別にイラスト無しでも自己出版はできます。そんなルールはどこにも規定されていません。あった方が作品の魅力的にも宣伝効果的にもいいのは間違いないですが。
何を当たり前のことを、と思われるかもしれませんが、これは私の中では衝撃的な気付きでした。イラストは用意せず、出版は自分でできる仕組みがある。宣伝はあきらめるとして、あと必要なものはもう小説そのものだけです。
幸いにして小説であれば、手元にあります。権利的に問題ないことが大前提ですが、自分で書いたオリジナル小説で、未受賞の作品であればそこは気にしなくて大丈夫です。ウェブ公開中のものをそのまま電子書籍化するのは買ってくれる(かもしれない)方に対して不誠実な気がしましたし、大幅改稿するなら新しいのを書きたかったので、今回は賞応募して落選した作品を選びました。
「残影のカナタ」という作品ですが、タイトルを変えたり作者名を変えたり、また当然改稿もしつつ3つほど賞に応募して全て落選していました(一応、もちろん重複応募にはならないタイミングで、です)。参考までに、第26回電撃小説大賞にて回道廻人名義で応募し1次通過2次落選した作品です。
2度の再チャレンジに失敗し、この拙作が商業的なプロ編集者のお眼鏡に適わないということが分からされた訳です。が、作者的にはかわいい自著で賞応募するくらいの自信作です。普通はこういう場合ウェブ公開を選ぶと思うのですが、ここで「やってみたかった」に引きずられて自己出版を選んだのでした。
次節では私が実際に出版までにとった手続きを紹介しようと思います。注意事項として解説ではなくあくまで紹介です。Amazon KDPによる自己出版の正解を示すものではなく、回道はこうやったらできたよ、という備忘録に近いものです。
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