第4話 死んだ子供の歳を数えるような・・

中小企業の小売り業やサービス業では離職率が高い。

今はほとんど新規採用は高卒も大卒も新卒者の4月採用などできず、中途採用に頼っている。

求人票の記載事項に「賞与2,5か月分年二回、昇給年一回」と書いていない企業もある。

実際、10年以上も従業員へボーナスも支払っておらず、定期昇給も行われていない企業も多い。

40代後半以上のベテラン従業員は転職するにも年齢的にハンディがあり、「定年まで会社が潰れないことを願うばかり・・」と諦めムード。

中途採用で入社した20代や30代の若い人々は会社としては即戦力で将来の幹部候補になる人材として期待している。

中途採用された人々は、初めはその企業に早く馴染み戦力になろうと頑張る。

しかし、早い人で数か月や1年2年で見切りをつけて離職してしまう。

その理由は、長時間労働、遠距離勤務地への配置、人員不足で休日出勤、すぐに役職付けされて残業代カット、定期昇給無し、ボーナス無し・・・

優秀な人ほど早く見切りをつけて他の企業へ行くのも当たり前の話だが・・・

お店の現場では「○○さんが辞めて残念だ」「○○くんがいてくれたら店の運営もスムーズ進むのに・・」など惜しむ声が出る。

本社の営業部長や人事部長とのミーティングでも店長から既に辞めた「○○くん」や「○○さん」を惜しむ話が出る。

そんな時、部長は「辞めた奴の事を今更考えても仕方ないだろ!死んだ子供の歳を数えるうようなことをするな!」と言う。

死んだ子供の歳を数える・・・

殺したのは本部の貴方たちなんですが・・・・

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