三幕

 ある三人兄弟は、みんなそろって大金持ちだった。

 あるとき一番上のお兄さんが子どもを三人もらってきたので、きいてみた。

「三人の子どもをどうするんですか?」

「子どものうちから楽器を教えて、楽隊をくませます。ギター、ベース、ドラムでちょうど三人です」

 真ん中の兄さんも子どもを三人もらってきた。同じ質問をすると、こんな答えだった。

「お芝居を教えます。子どもの頃から稽古すれば、きっといい劇団ができるでしょう」

 一番下の弟は子どもをもらってこなかった。しかし次男の子どもたち三人をさらって、体の中身をこっそり抜いてしまった。そして子どもたちにそれぞれ金貨、銀貨、銅貨をつめた。

 そのため、次男の子どもたちは、何をきいても古い金貨や銀貨や銅貨のふれあう「カチャカチャ」という音をたてるだけで、答えることができない。

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