第2話

彼と別れた。それも何ヶ月も前のこと、今は1人で楽しくやってる。訳でもないか、お互い夢を叶えることに夢中でお互いの事を疎かにしすぎた。

別れたら彼のこと気にすることもなくなったから すぐ夢も叶うと思ってた。

でもそんなことなかった。

なんなら彼がいなくなって、リラックスすることが少なくなってしまった。

「知らないうちに甘えていたんだなぁ...」

ふと前を見ると煙突から煙が出てる。

あれは何のために燃やして出た煙だろう...

最近こんなことが多くなった。どうでもいいものの存在の意味を考えてしまう。

いつからこんな理屈っぽくなったんだろう。

「私にとって失ったら困るものってなんだろう」

急に思った。本当に唐突に思いついたので自分でも驚いている。やっぱり夢?それとも何か別のもの?答えは出ない。彼の顔が頭に浮かぶ。

「...いやそんなことない、彼と別れたことはきっと

 お互いにとっていいことだったんだ。」でも何度も彼と別れていなかったらと考えてしまう。

なんだかんだ言って別れたくなかったんだな...

今更言っても仕方ない。

意地がいつも本心に勝ってしまう。

気づくと彼とよく来た銀杏並木に来ていた。

彼と出会って別れたのもここだったな。

奥の方に人影が見える。よく見ると彼が並木道の真ん中に立っていた。

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