第101話 魔王・真名獲得!


 朝から温泉を楽しんだ彰吾は湯船で眠って、なんとか起きると目を覚ますために顔をしっかり洗って自室へと戻ってきた。


「ふぁ~さすがに風呂で寝たのはダメだったな…少し怠い」


 軽くのぼせた彰吾は部屋に入るなりベットに横になって力なく天井を見上げる。

 何かがあるわけではないので見つめているだけだが、しばらくそうしてぼーっとしているだけだった。

 でも、頭だけはしっかり動いていて最近はろくにステータスを確認していなかったことを思い出した。


「……あ、そうだ」『アビリティ・ヴィジョン』


――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:なし 種族:魔王 職業:魔王


レベル:26→32

力:B+ 魔力:A 防御力:B+ 知力:SS 器用:S+

俊敏:A+ 運:S


スキル 《SP720→900》

速読Lv8→Max・高速思考Lv7→9・並列思考Lv7→8・技術の極みLv4・格闘Lv6→8

隠蔽Lv4・闇魔法Lv1・鑑定Lv4・契約魔法Lv2→4・召喚魔法Lv1・人形創造Lv7→9

指揮Lv4→6・テレパシーLv2→3・集団強化Lv4・錬金術Lv1→6・火魔術Lv1→3


ユニーク

天武Lv5・天魔Lv3・天技Lv5・天智Lv5・怠惰・魔王・傲慢・予知Lv1


称号

全の天才・怠惰なる者・始まりの魔王・傲慢なる者・人類の脅威・亜人の守護者

――――――――――――――――――――――――――――――――


 表示されたステータスを見た彰吾はなんとも言えない表情を浮かべていた。


「やっぱりレベル上がりにくくなってきてるなぁ~」


 以前のように大量に人間を殺すような事もしていないので獲得経験値も少ない事は想定済みだったが、それにしても少ないレベルの上がりぐわいに彰吾は残念がっていたのだ。

 それでも確実に成長しているステータスを細かく見ていると彰吾はある事に気が付いた。


「名前…つい元々の名前使ってたけど、なんか名無しのままなんだよな…なんか条件でもあるのか?それとも宣言が必要とかか??」


 そう言ったように彰吾は特に気にする事もなく過ごしていたステータス上では『名無し』のままだった。地球での名前に執着があるわけではなかったが使い慣れているので、今更変える事にも違和感があった。


「試すだけ、試してみるか……」


『俺の名前は【黒木場くろきば 彰吾しょうご】であると世界に宣言する』


 普通に宣言するだけのつもりだった彰吾だが、宣言を始めると勝手に口が動き満タンだった魔力すら8割以上を消費していた。

 急に大量の魔力を消費した衝撃で体に負担がかかったのか宣言が終わると息も絶え絶えといった様子だった。


「っ…はぁ…はぁ……」


 普段ならすぐに回復して気にする事もないのだが、あまりに急激な消費に精神的にもきつかったのだ。


 しばらく、ゆっくりと時間を掛けて深呼吸と瞑想をして体と心を落ち着かせる。


「…ふぅ……えぐ…名前、程度でなんつう苦痛ともなうんだよ…」


 なんとか回復した彰吾は自分に名前を付けると言うだけで、想像以上の消耗を強いられることに不満げだった。だが言いたいことを全て言うと落ち着きを取り戻したようで、再度ステータスを確認する。


――――――――――――――――――――――――――――――――

名前:【黒木場 彰吾】 種族:魔王 職業:魔王


レベル:32

力:B+→A 魔力:A→S- 防御力:B+→A 知力:SS 器用:S+→SS

俊敏:A+→S 運:S→S+


スキル 《SP900》

速読LvMax・高速思考Lv9・並列思考Lv8・技術の極みLv4・格闘Lv8

隠蔽Lv4・闇魔法Lv1・鑑定Lv4・契約魔法Lv4・召喚魔法Lv1・人形創造Lv9

指揮Lv6・テレパシーLv3・集団強化Lv4・錬金術Lv6・火魔術Lv3


ユニーク

天武Lv5・天魔Lv3・天技Lv5・天智Lv5・怠惰・魔王・傲慢・予知Lv1


称号

全の天才・怠惰なる者・始まりの魔王・傲慢なる者・人類の脅威・亜人の守護者・new真名獲得者

――――――――――――――――――――――――――――――――


「おぉ~めちゃくちゃ基礎値が上がってるな。これならつり合い取れるどころか、圧倒的にメリットの方が勝るな」


 上がったステータスを見て彰吾は嬉しそうに極端に上がった値を見ていた。

 彰吾のステータスは確かに強力だったが、最近ではクロガネやギンソウには負けていた。その事を密かに気にしていただけに今回の事が、本当に心の底から嬉しかったのだ。


「これなら、もう少しスキル増やしてもいいかな?」


 そして調子に乗って彰吾は更にスキルを増やそうと、取得可能なスキルの一覧を見始める。

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