第3話

世の中は生き辛い…私は今でもそう思っている。

私という自分は一体何処に居るのだろう?

周りの人間は私に「いつも明るくて元気だよね!」とか「悩みなんてないんじゃないの?」と平気で言ってくる。そんな言葉を浴びせられる度に【私は誰だ?】と思わずにはいられない。

そう、私は1歩外に出ると明るい女を演じているのだ。

それは、クヨクヨしている姿を他人に見せても他人が助けてくれることは無く、逆に付け込まれたり利用されたりしたからだ。

騙す側より騙される側の方がいいとは思っているが、それは建前というか…単に嘘が下手なのである。

騙される側の気持ちをよく理解しているがために、相手の気持ちばかりを考えてしまうのだ。

かと言ってお世辞の1つも言わない訳ではなく、社交辞令も言う。

私が本心で嘘を付かない相手とは、この先も信用して行こうと決めた相手だけだ。

人なんて心の中では何を考えているのか分からない。エスパーでは無いのだから。

そう思う私は何でも正直に答えるし、自分の生い立ちも伝える。そんな自分の評価を下げるような事言わなくてもいいのにと言われたこともあるが、私は自分の全てをさらけ出す事により相手にも思っている事をさらけ出して欲しいと願っての事なのだ。

だかしかし、付き合った相手にはことごとく「ごめん。そんな親を持つ君との未来は考えられない。」や「どうしてそんな事をされてきたのに未だに親の面倒をみてるの?理解できない。」などと言って振られてしまうのだ。

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