無題6

記録を閉じる。なんて意味の分からないモノだろうとつくづく思う。


木漏れ日が髪を橙色に染める。


もうこんな時間か、まだ夕飯の準備もしていなかった。何を食べようかと反芻する少女は戸を開けて外へと出て行った。


開けた瞬間に外気がむわっと軀に食いつく。鼻孔に薫は翠の香り。青味がかったインクの滲みと黄金色に輝く万年筆の穂先に染まった天上。なぞる波状の雲は規則正しく波紋を打っている。


あぁ、夕暮れ時か。


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