5

「鬼人の娘め。血がつながっているからと、いつまで陛下の温情にすがっているのだ」

「宮廷から出て行かなければ、お前の帰る場所を踏み潰すぞ」


 貴方には聞かせられない言葉。


「俺の愛人として囲ってやろうか」

「鬼人も一度試してみたいとは思っていたのだ。器量も肉付きも良いからな。さぞ抱き心地が良いだろう」


 繰り返される侮蔑。


「抵抗するなよ。抵抗したら解っているな」


 押し寄せる悪夢のような現実。

 約定が、貴方に誓った誓約が、私を縛る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る