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「鬼人の娘め。血がつながっているからと、いつまで陛下の温情にすがっているのだ」

「宮廷から出て行かなければ、お前の帰る場所を踏み潰すぞ」


 貴方には聞かせられない言葉。


「俺の愛人として囲ってやろうか」

「鬼人も一度試してみたいとは思っていたのだ。器量も肉付きも良いからな。さぞ抱き心地が良いだろう」


 繰り返される侮蔑。


「抵抗するなよ。抵抗したら解っているな」


 押し寄せる悪夢のような現実。

 約定が、貴方に誓った誓約が、私を縛る。

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