七章

第52話

 ガラニア公国。現地時間午後四時三十四分。


 城内玉座の間、崩落。数名の兵士が崩落の巻き添えとなり死亡。ガトー・ジョンストン大将も被害に遭い、現在診療施設にて治療を行なっている。命に別状はなく、二三週間で退院するとのことだ。


 王の安否についてだが、幸い王に被害はなく、政治機能にそれほどの障害はない模様。ガトー大将が退院し次第、詳しい報告がなされる予定になっている。


 市民生活には万事支障はないため、混乱をする必要はない。王の代理を務める書記官長はこのように述べ、市民たちへの注意を促した。


 陛下肝入りの異世界侵攻計画。これについて当面の間凍結するとの発表があった。


 玉座の間の倒壊によって、地下の弾薬庫にも被害が及んだため。

 遠征費が思いの外嵩んでしまったため。

 抵抗勢力に返り討ちにあったため。

 

 世間では様々な見方がなされているが、詳しいことは政府機関よりの発表を待つばかりである。


 異世界へと進行した部隊は退却。

 再び準備が整い次第戦闘を再開するとしているが、再開時期について見通しが立っていない。

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