世界が終わる前に

「もし明日、世界が終わるとしたら、どうする?」


 宿題をやっている私に、彼がとんでもないことを尋ねてくる。


「急にどうしたの」

「なんとなく」


 スマホをいじりながら、彼は興味もなさそうに言う。だから、私は正直に答えることにした。


「嫌いなものも好きなものも全部ぐちゃぐちゃにするかな」

「思ってたよりだいぶ怖い。もしかして、僕も何かされる?」

「勿論」


 即答して、にやりと微笑んでやる。

 大切なものが、他の何かに壊されるって嫌じゃない。

 そんなことを考えてたら、シャー芯が折れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る