第12話 転送者

「東京……、もしかして東都?」

ローラが思い出すように言った、だがその地名に心当たりは無かった。

当て字としては似ているが……、西宮の反対だろうか?

「そうか!あなた東京って過去から来たのね!」

「過去って?君は……その……ゲームのキャラなんじゃ?」

「え、なんでよ、こんなに話してるじゃない」

「ローラってお姫様だろ」

ローラは押し黙り踵を返しバッグから2つ、麻で出来た布を渡した。

たき火から距離を測り床に敷くと、森に向かって


「……結界」


ローラがつぶやくと、森の茂みが僅かに揺れ、さっきよりも静けさというか、辺りに無機質な空気が漂った。

動物の気配だろうか……、暖かなたき火だけそこにあるような。


「いろいろわかった……、寝ながら説明するわ」


ローラはグローブやブーツを脱ぐと敷いた麻布に横たわった。


「この世界はね……、未来と繋がってるの」







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