第9話問答・オレンジ色の踊り子
たき火は時折パチンと「起きろ」と言うように燃えていた。
ガスコンロの火ばかり見ていたが学校の臨海学校で炊飯の火起こしを思い出す。
目の前で揺れる小さな炎のはオレンジ色の髪の毛を逆立て弱々しくおどり、倒錯感
にもにた魅力があった。
「ねえ……」
オレンジの踊り子の置くで座る彼女がこちらを見ている。
昼間見た、闘志をむき出しにした目とちがい、この炎のようにどこか弱々しさと対かな熱があった。
「あなた……、どこから来たの?」
「ど、どこって……東京の……」
「東京の……」
「東京?、聞いたことない、初めての名前ね」
「知らないって……、東京知らないのにどこ知ってるって言うの?」
「そんなに有名なの?」
「いや……、有名も何も」
「私が知ってるのは、大阪と博多、あとアメリカと……」
彼女の語る国々は確かに知っていたが、彼女は片手が指を折り数えると同時にやんだ
「ここ……、どこなの」
「最果ての……、どこだろ?、森?」
「どこだろって」
「ここは最果てだから……、でも大丈夫、街の目星は付いてるから」
そう言うと彼女は、寒さを防ぐように身を縮めた。
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