第8話たき火

いっったい!、落ちた道も石だらけであちこち切った。

夕暮れを見計らったダイブは大きな代償と共につかの間の休息を与えてくれた。

身動きのとれず、傷だらけの俺をみて、彼女も半ば休息に同意してくれた。

林の岩場に俺を引きずると黙ってまた林の中に消えてった。

このまま帰らないのではと考え声をかけそうになたが

「待ってて」

か細い声が聞こえた。

どこか弱り切った声に俺は初めて彼女に女の子らしさをかいまみた。

せめて放り投げた荷物袋を預かろうと、痛みの走る体でたぐり寄せ、脇に置いた。

夕焼けが星空に変わりだし、空に星が見え始めたころ、彼女は戻ってきた。

俺を一瞥すると、黙って脇に担いできた巻き木を組み始めた。

ベキンベキンと乾いた木の枝を手際よく割り、山形に組んでいく。

「ちょっと……いい?」

訳も分からず近寄って来ると、荷物袋に手を伸ばし、火打ち石だろうか?、いや、何度かキャンプの動画で見たことがある、ざらついた棒を片手に持つともう片方の手にナイフを取りだし、木の繊維に向かってこすりだした。

火花が数回飛び出し木くずに移ると、身をかがめ、小さな唇で吹き始めた。

くすんだ煙を出し、火が付いたと思ったらすぐに大きくなり、彼女は俺の対面に座った。

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