第7話酩酊
「ねえ?」
「なあに?」
「ちょっと休もうよ?」
「ダメよ、少しでも早く遠くへいくの」
ラッターに乗ってからもう何時間たったか分からない。
上下に激しく揺れる、ラッターの走行はまるで鉄のトランポリンのようだ。
固い鞍に尻を打ち付けるたびに、骨の髄まで痛みが走り、眠気をたたき起こす。
腕も長い時間彼女の腰に巻き付けてるが、こう激しく揺れたんじゃあ緩めるわけにもいかず、常に体力と精神力を吸い尽くしていく。
「日が昇ってる内に街まで行くの」
「あと……どれくらい」
「まだ……、4時間は走るわ」
「そうなんだ……、じゃあ……もうダメ」
「えっ!、ちょっと!」
4時間と言う途方もない時間を聞いてオレは彼女の腰から手を離した。
力尽きるようにオレの体は宙に浮いたが、これは決死の「断固としてオレは休む」という捨て身の抗議であった。
疲れ切り、酩酊したこの意識と体だ、このまま地面に叩きつけられたとしても、痛みは感じないだろう。
「ぐえええええ!」
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