第4話逃走2
腹がでっぷりと出っ張った緑色の生物が立ていた。
鉄の兜と肩当て、皮と布で出来た腰巻き軽く巻き付け、異様に隆起した四身を覆っていた。
自分の二倍はあろうかという手と指は、不細工だが釘や木の棘を本能のままに殺傷能力を付け加えた棍棒が握られていた。
「い゛い゛ぃぃやあああああぁぁぁぁぁ!!」
自分の後から雄叫びが上がると、先程の少女が化け物に鋭い跳び蹴りを当てる。
目の前の化け物はくの字に曲がり悶絶の叫びを上げ吹き飛んでいった。
「何してんの、手こずらせないでよ」
「キ、キミは」
「そんのいいから!、さっさと逃げるわよ」
轟音を轟かせ崩れ落ちる化け物を尻目に彼女は叫ぶ。
「こ、ここはいったい……」
「そんなのいいから!」
革手袋で固めた少女の手が自分を引き起こす。
か細い腕に似合わず、オレは引き上げられた勢いで少女に倒れ込む程の勢いで引き上げられた。
「さあ!、行くわよ!」
「行くって?」
「逃げるのよ!、速くしないと出発しちゃうわ」
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