第2話 って、こんな夢オチってあり???????

 暗い。とにかく暗い。しかし、ここがどこなのかおおよそ見当がつく。どこかで跳ねた水の音が反響し、僕の耳に入ってくるあたり洞窟で間違いないだろう。初期スポ地どうなってんだよ!右も左も分からない状態で暗闇に送り込むとか、出口が右なのか左なのかもわからんよ。ここ笑うとこ!何が面白いかわからないって?あ、うん。とりあえず自分のステータスを知りたいのだが、如何様いかようにして確認をすればいいのだろうか。当然≪ステータス≫と、心中で唱えたところで表示ディスプレイは出てこない。無知より怖いものは無いので早いとこ知りたいのだが…。突如、肩に違和感を覚える。僕、そういうスキンシップ苦手なんだよなー。恐る恐る後ろを振り返ってみると、そこには…、何もいませんでした。コワイネコワイヨー。と思ったら、バックパックを背負っているだけでした。コミュ障はそういうとこ敏感。ほんとに。あれ?僕だけ?まぁ、いいや。バックパックの中身は福袋でした。あっ、新年明けましておめでとうございます。

 

 冗談はこれくらいにして、中身を確認。1つ目、棒。ただの棒にしか見えない。鑑定スキルを持っていない以上詳細を知ることは出来ないが、なにか役立つのだろうか。2つ目は服。ただの服。防具じゃなく綿服。有難く着よう。それと奥底に一冊の本が入っていた。暗くてタイトルが見えないが、かなり分厚かった。取り敢えずバックの中に戻しておく。火が欲しい。明かりが欲しい。極論スマホが欲しい。自分のステータスを確認できるようなスマホが。これは自分の好みだが、三つ程タピオカを付けてほしい。


 一人で会話するのは気楽でいいのだが、夢中になりすぎると問題だ。ここがどこなのかわからなくなってしまった。一本道を来た気もするが、どこかで曲がった気もする。つまり迷子…ではないですよ。断じてないです。ただ少し予想外の道に進んでしまっただけです。たぶんいっぽんみちですけど!んや、待てよ一本道なら迷子にならなくね?だって一本道なんだもん。もうわけわかんねーな。取り敢えず前に進もう。


 人の目は思っている以上にすごかった。暗闇の中に長時間いると目が慣れてきてある程度先を見ることが出来るようになってきた。この洞窟はかなり枝分かれしているようで、目が慣れてから何回か左右の道選択を迫られていた。つまり今までも分かれていた可能性あり。オワタ。見えるようになってからは、僕はとても頭の切れる人間なのですべて右に進む選択をした。それが吉と出るか凶と出るかは分からないが今のところ何もない。こういうところには所謂”魔物”が出てきそうなもんだがその姿はない。勝ち申したな。


 幾分か歩いたら開けた場所に着いた。人的に開拓されたようにも見れるが、人工物などは見受けられなかった。そのほかにも何か鉱脈が見受けられることもなく、宝箱が隠されているわけでもなく、罠が張り巡らされていることもなく平和だった。ただ、足元に尋常ではないほどに骨が転がっていることが少し気がかりである。明らかに自然現象ではない。この洞窟の近くに処刑場ないしは獄などがあり、人骨をこの洞窟に運んでいるのかと僕は推測した。何はともあれ外部と繋がっている可能性があると考えて良いだろう。


 骨の上を暫く歩いていると淡く光る太い棒状の物体を見つけた。灯りがない今、これを松明代わりに使用しようと思い拾ってみたが、意外と重量があり取り落としてしまった。重量があるのにも関わらず、カランと軽い音が響いた。今まで読んできたラノベとかを鑑みると、これ絶対レア素材じゃん。ラッキー!しかも今は松明として使えるし。一石二鳥!お得杉!二兎追うものは一兎も得ず!うん、矛盾!


 開けた空間をひたすら前に進んでいたら行き止まりに着いた。足が疲れたので壁を背にして座り込む。ここまで誰にも会わなかった。それどころか生命体に出会わなかった。僕ぼっちのままここで暮らすの?コミュ障だから人いなくても寂しくないだろって?それは陽キャの考えだ!!コミュ障陰キャでもな友達がいるし、欲しいのだ!こんなところに一人で居たらいつの日かそこらに落ちてる骨と会話し始める気がする。へい、骨。今日の天気は?とか聞いちゃうぞ!てか、そもそも食料調達できなくて餓死するか。今日はもう疲れたしここで寝るか。



「少年よ、久しいな。調子はどうだ」


 神が目の前に現れた。キシンが来たぞー、にげろー。


「誰が、鬼神だ。儂は最高神の使いだぞ。あんな化け物と同一視すな」


 あーあ、そうなっちゃいます?僕が言ってんのは気まぐれの神、略して気神なんだがな。そんなものは存在しないのか。てか、あんた最高神に仕えてるのか。最高神が誰だが知らんけど。


「そりゃそうだ。最高神様が人前にお見えになられることはないからな」


 ふーん、あっそ。ところで神にいくつか質問したいんだが。


「分かっておる。少年のステータス公開と、確認方法、そしてここがどこか、どこに出口があるか知りたいんじゃろ?」


 おー、流石神。話が早い。早速教えてくれよ。


「まず、少年の持っているスキルから説明しよう。少年が持っているスキルは…」


 そこで目が覚めた。なんだー夢かー。って、こんな夢オチってあり???????

 ふざけるなぁーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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