第6話 施錠された冷蔵庫

家の中に家族の気配がなく、全員が出掛けている時を見計らって部屋の外に出る。

ある日の夕方、部屋から出るとテーブルの上に美味しそうな炒飯が置いてあり、私は思わず食べてしまった。

半分くらい食べたところでキッチンに戻ってきた義理妹が私を見て怒りを露わにした。

「それ、子供に塾に行く前に食べさせようと思って作っておいた炒飯なのよ!!」

たかが炒飯程度でなぜこの女は声をあら立たせるのか?おまえが作る昼ご飯が少なすぎるからお腹が減るんだよ!と言い返したかったが言葉を飲み込んだ。

それ以降、義理妹は冷蔵庫や食品庫の扉に鍵を付けるようになった。

食品だけではなく、洗面棚の扉までも義理妹は鍵を付けだした。私の化粧品を使わないで!と言いたいのだろう。


毎日暇なせいか、お腹がすいて仕方ない。

通販でお菓子を買い溜めて空腹をしのぐ。

自分でお菓子を買えるお金はあまりないのでキッチンのゴミ箱に捨ててある食べ物があれば部屋に持ち帰って食べる。

家に誰もいない時は家中のゴミ箱をあさり、自分にとって必要な物を得るようになった。

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