第2話◇シロマル


次の日の朝

目が覚めた僕はいつも一緒にいたテイルがいないことに気がついた。


次の日も


その次の日も優しいテイルは帰って来なかった。


「おばさん━━━━!マリーおばさん━━━━!!!助けてよぉ!」


僕はせいいっぱい大きな声でおばさんを呼んだ


タッタッタッと走る音が聞こえてきた

マリーおばさんがやってきた。

「シロマルどうしたの?すっかりやせちゃってテイルはどうしたの?」

おばさんの優しい声を聞いて僕の瞳から涙がつぎからつぎと流れてきた

「テイルが帰って来ないの、ぼくだけで寝るのは寒いし寂しいよ…」


おばさんは悲しい顔をしながら答えた


「テイルはママのところに行ったのかもしれないね。」


「僕を置いて行ったりしないよ、だって約束したもんずっと一緒にいるって…僕にはこの鼻がある、テイルの匂いはわかるんだ」


おばさんが止めるのをふりきって

僕は駆け出した。



「テイル~!テイル~返事してよぉ~!」


どんどん走った。


テイルの匂いのする方に一生懸命走った。


山を降りたら、小さな村が見えてきた、テイルの匂いはここまで来ていたはず。


匂いのする場所をぐるぐるとまわった、そしていちばんテイルの匂いのする場所をみつけた。僕はそこでテイルが迎えに来るのを待つことにした。


お腹は相変わらずペコペコで悲しくなったけど「きっとテイルは僕を探してるはずだ」


気がつくと当たりは暗くなっていた。

「いつの間にか寝ちゃってたんだ…それにしてもお腹がすいたなぁ」


ガサガサと音がして僕はびっくりしてその場所を逃げ出した。


ちょっと遠くからみてみると、おばさんがそこに何かを置いて歩いていった。


しばらく様子をみてからまたテイルの匂いが残っている場所にもどってみると。


美味しそうな匂いがした。

「テイルは、にんげんは時々食べたらいけないものを置くから、勝手に食べたらだめだよといっていたからな」


僕は頑張ってその美味しそうな匂いのするものを食べずにいた。


「テイル…僕…お腹すいたよ…」


お腹が空いたまま眠った僕は夢をみた。

一緒にかけっこしたり、僕が寒くないようにくっついて寝てくれた。そんな夢だった。


朝が来てまた夜になってもテイルの匂いのする場所から動かなかった。


「もう僕は待ちきれないよ、テイルは僕を置いてどこに行っちゃったの?」






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