14.疾走
今回は重松清の「疾走」です。
私が小説に求めるものの一つの要素として、SEX and Death というのがあります。どちらか片方だけじゃいけない(もちろんミステリの場合は例外ですが)。これは、此岸を描くなら彼岸を描かなければいけない(つまり光があるとそこに影が出来るように)という、私の基本的な小説対する考え方があるからですね。そういう意味では、多分ノルウェイの森と疾走が、その要素を色濃く味わえる作品だと思っているわけですが。
今作の特徴は、「エグい」です。結構エグい。作品を通してずっと暗いし、不幸は続きます。だけど、すごく胸を打たれるんですねぇ....
あらすじは簡単に言うと、兄が放火魔として捕まってから、主人公シュウジの人生が波乱のものとなっていくというお話です。東野圭吾の「手紙」の、エグい版と思ってくれればいいのかな、と(もちろん適切じゃない表現だとは思いますが)。
いじめ、セックス、殺人...シュウジはそういった世界にどんどん足を踏み入れていきます。
そしてこの本の特徴の一つとして、語り手が主人公を「お前」と呼びます。独特ですよね。
まぁ、後は読んで判断して欲しいといったところです。私の中学時代の大切な一冊です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます