13.悪の教典

 映画化したことでも有名な、岸祐介の「悪の教典」です。この小説は、映画見る前に小説読んだ方がいいと思いますね。というのも、映画はつまらなくはないけど、若干悪趣味なグロいシーンとか残虐なシーンが続いて(小説にもそういう雰囲気はあるし、それが持ち味でもありますが、映画は若干気持ち悪かった)、見る人を不快にさせなくもないからです。

 もちろん、小説だってそういうシーンはありますが、後半は残酷な描写が続いてもページをめくるのが止まらないほどハラハラして続きが気になるような小説になっております。

 先に述べておくと、悪の教典は結構息をするように人が死にます。人気教師だが、裏の顔はサイコパスで、自分に都合の悪いものは排除していくっていう話なので、そういうシーンはそもそもが大前提の小説だからです。まぁ、岸祐介ってそういう小説を書くんです、そしてまぁ興味深くハラハラする書き方するんです。


 あらすじ


 とびきり有能な教師がサイコパスだったとしたら、その凶行は誰が止められるのか?

 晨光学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAから信頼され彼らを虜にしていた。そんな〝どこから見ても良い教師〟は、実は邪魔者は躊躇いなく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。少年期、両親から始まり、周囲の人間をたいした理由もなく次々と殺害してきたサイコパス。美形の女生徒をひそかに情婦とし、同僚の弱みを握って脅迫し、〝モリタート〟の口笛を吹きながら、放火に殺人にと犯行を重ねてゆく。

 社会から隔絶され、性善説に基づくシステムである学校に、サイコパスが紛れこんだとき――。



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