7.容疑者Xの献身
容疑者? なのに献身? そんな疑問が湧いてくるこの作品なわけですが、読めばタイトルの意味がわかるし、それで泣けます。
本作、東野圭吾の「容疑者xの献身」は、ドラマ化したことでも有名なガリレオシリーズの三作品目です。実はこの作品、ガリレオシリーズの中では異色で、科学的なトリックとかはあんま出てこないです。湯川先生も、普段より目立ってないです。なぜなら、この作品は主人公がどちらかというと犯人側だからです。
まずあらすじ
天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。
という話です。わかっていただけましたかね。あらすじからも、とりあえず石神さんが悪としては描かれていないことは分かったと思います。
この作品は、本格推理小説かどうかで若干の論争がありました。というのも、推理に必要な場面が描かれていないからです。しかし、そもそもこの小説は推理小説としてではなく、文学として読むべきです。ミスタら要素がある、くらいに思った方が楽しめると、私は思います。
まぁ、東野作品にハズレなんてないんだからとりあえず読んでみてください。投げやり。
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