3.リカーシブル
三作品目は米澤穂信「リカーシブル」です。私、実は米澤穂信もファンなんです。米澤穂信のミステリは私の目指すものの一つです。なんでしょうね、後味は基本的に良くなかったりするのが多いですけど、それでもそれが心地いいんです。湊かなえとかとはちょっと違う後味の悪さです。米澤作品に出てくる女性も魅力的です、私は何回か恋に落ちました。
さて、リカーシブルの話です。リカーシブルは主人公が中学生の女の子です。青春ミステリってわけなんですね。
この作品は、ライトな文体とは裏腹に作中なんとなく暗鬱なムードがあり、どっか苦味に溢れた作品です。主人公も結構な境遇の中を生きるわけですけど、それに対してタフなところがとても素敵です。正直、私が主人公にここまで惹かれた小説は他にないかもしれないです。読んでてどこか寂しくなってくる展開、それに対してタフな主人公は読んでてなんとも言えない感じになりました。きっと読んだら主人公を好きになります。
あらすじです。
この町はどこかおかしい。父が失踪し、母の故郷に引越してきた姉ハルカと弟サトル。弟は急に予知能力を発揮し始め、姉は「タマナヒメ」なる伝説上の女が、この町に実在することを知る――(amazon)
米澤穂信の「ボトルネック」にも通ずる青春のほろ苦さを味わえる本作を、ぜひ読んでください。きっと想像をハルカに超えた作品に出会えます。
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