発足!出羽高校退魔部

「……成功した……」

ミツハは合体し、グランドイデハとなったロボットを見つめ上げて確信した。

「これが羽黒派古修験道に伝わる退魔奥義!」

「これまでだえ、與次郎よじろう!!」

けまくもかしこき出羽三山神社の大前を拝み奉りてかしこかしこもうす」

「羽黒流退魔術合体奥義!伊氐波いではしょ!!」

ーガシャン

ードキーン

グランドイデハ右腕のユドノランチャーの双梯子が変形し、一本の長い独鈷杵となった。

水流爆鎖すいりゅうばくさ!」

グランドイデハ左腕のウイングブースターから風が巻き起こり、最上川の水を巻き上げ、與次郎狐を水の渦で拘束した。

伊氐波いでは旋突撃せんとつげき!!」

「はぁあああ!!!」

ーズシャアッ

ーズボッ

ードガァーン

與次郎狐は伊氐波杵によって心臓を抉り取られ、爆散した。

「みなさん!」

「部長、お願いでがんすします!」

「任せてください…!」

ミツハは摺衣すりごろもの下から「理趣経」を取り出し、與次郎狐の心臓の前で転読した。

「羽黒派古修験道奥義!般若理趣分回向法!!」

納慕ノウモ薄伽筏帝《バギャバティ》鉢刺壤ハラジャ波囉弭多曳ハラミタエイ薄底バチ筏攃羅曳バザラエイ罨跛履弭多窶拏曳オハミリタグナエイ薩縛呾他サルバタタ掲多ギャクタ跛履布視多曳ハラフジタエイ薩縛咀他掲多サルバタタギャタ奴壤多ドジャタ奴壤多《ドジャタ》邲壤多曳ビジャタエイ咀姪他タニャタ鉢刺曳ハラエイ鉢刺曳ハラエイ莫訶マカ鉢喇曳ハラエイ鉢刺壤婆娑羯囇ハラジャバサキャレイ鉢刺壤路迦羯囇ハラジャロキャキャレイ案馱迦囇毘談末埿アンダキャラビダマニ悉遞シッデイ蘇悉遞ソシッデイ悉殿都漫シッデイトマン薄伽筏底バギャバチ薩防伽孫達囉サルボウギャソンダレイ薄底筏攃囇バチバザレイ鉢刺娑履多喝悉帝ハリサリタカシッテイ參磨濕嚩婆羯囇サンマジンバサキャレイ勃陀勃陀ボダボダ悉陀悉陀シッダシッダ劍波劍波ケンバケンバ浙羅浙羅シャラシャラ曷邏嚩曷邏嚩キャラバキャラバ阿掲車阿掲車アギャシャアギャシャ薄伽筏底バギャバチ麼毘濫婆マビランバ莎訶ソワカ

ードォーン

ミツハが般若理趣経の陀羅尼を唱えると與次郎狐の心臓は光の粒となって消えていった。

「退魔…完了…だなや…!」

「やったぁ〜!!」

退魔部部室のモニターから見ていた退魔部員の玲と千絵里、顧問の朱磨は歓喜の声を上げた。


「羽前にあのような守人もりびとがおったとは!おのれ次こそは!」

どさくさに紛れてヤマガタダイカイギュウの太郎松は逃げた跡だった。


こうして羽黒派古修験道より山形県の守護神と“グランドイデハ”それに融合して闘う羽黒神子のチーム「出羽高校退魔部」が発足したのであった!

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