三匹のメカ獣、うつくしま寮と融合する
うつくしま寮では
点呼を終え、先に朝食を取っていた。
が、その前に寮母の星美冴による新入寮生の紹介が行われていた。
「はーいみなさん、今日から一緒に寮生活を送る事になった、
-ドドド…
小温が自己紹介をしている間にうつくしま寮に揺れが響き渡る。
「また地震!?」
「いや、外見て!」
広間にいた寮生が外を見ると、口の中に剣を乗せたメカ白虎、クチバシに龍美を乗せたメカ山鳥、口の中に勝代と光美を乗せたメカフタバスズキリュウがうつくしま寮に向かって走っていた。
「寮だ!寮が見えた!」
「おーいみんなー」
「おーい、でねぇ!なんだその動物型ロボットは!?」
三機がうつくしま寮に近づいた瞬間…
「
どこからか毘沙門天真言が聞こえると、清らかな光のエネルギー生命体が寮と三機を中にいた寮生12名と管理人1名ごと異空間へ転移・避難させてしまった。
異空間
「あれ?さっきまで私は広間で朝ご飯?」
「まだ寝てたっけ?」
「ちがーう!現実だで現実!」
「危ないところであった」
「誰
12人が取り乱す中に現れたのは、衣褲きぬはかまの上に
「私は陸奥出羽按察使・鎮守府将軍、坂上田村麻呂である!」
「坂上田村麻呂ぉ!?」
12人はエネルギー生命体として姿を現した坂上田村麻呂をまじまじと見つめつつも田村麻呂は説明を続ける。
「奥羽の地は今存亡の危機にある!奥羽の地を愛する者たちが激減したおかげで奥羽各地に施されていた鬼の封印が解け、黒塚の鬼婆や土蜘蛛と言った強大な奥羽の悪鬼羅刹共が一斉に復活し、奥羽を魔の国にしようと動き出したのだ!」
「なんだってやぁ!?」
「はっ…今朝見た夢の中に黒塚が?」
「まっこと《マジ》!?」
「奥羽を制圧し、人間の負の感情で埋め尽くした後はかつて私が仕えていた帝の後継政権を攻撃し、日の本転覆を謀るとの事だ!」
「鬼婆さよる国家転覆だって!?」
「そんなの許すわけにいかねぇだ!」
「ですがさっきの動物型ロボットは一体?」
田村麻呂が手を翳すと、
メカ白虎は金色の爪にPAC-3タイプのミサイルポッドブースターが付いた東武500系電車へ
メカ山鳥は弓矢を模した対空砲ブースターが付いた新幹線E2系電車へ
メカフタバスズキリュウは大型ロングレンジパルスレーザーライフルブースターが付いたE657系電車へ
それぞれ変形した。
その変形シークエンスを見た寮生は全員興奮した。
「すんげぇ!!」
「虎っこに鳥っこにフタバスズキリュウが電車さなった!」
「しかも車体後半に武器まで付いてる!」
「うはぁ…男のロマンてんこ盛り盛りだなぁ…」
「こんな機体を
龍美の問いに田村麻呂は答えた。
「守ってほしいからだ!」
「
「この陸奥の南端、白河関、勿来関に近い磐城国と岩代国、両国をその三機の福島防衛マシン「メタルクベーラ」でそなたらに守ってほしいのだ!」
「ちょっと
「そうですよ!いくらなんでも私達には荷が重すぎます!」
龍美と光美が抗議する。
「理由がある。私は遠く陸中国岩手郡岩手山にいる悪鬼羅刹の首魁、悪路王と直に決着をつけねばならぬ。だがその間に岩代国と磐城国に巣食う鬼どもには相手は出来ぬ。よって私が悪路王との闘いに臨んでいる間に岩代国と磐城国を悪鬼羅刹からメタルクベーラと一体化して闘う「北天の巫女」にそなたらを三機のメタルクベーラと共に託す!」
「ちょっとまってくなんしょ!この子達はまだ高校生!福島県を守るより勉強が先だべ?」
「そうだそうだ」
星美冴が話に割って入るが、田村麻呂は聞く耳を持たず、掌を12人と美冴に向け、毘沙門天真言を唱えた。
「
「ちょっと聞いてん…あれ…?」
-パリパリパリ
「わあああ…」
「ああ…あぁ?」
田村麻呂の掌から13人の全身に光線が放たれ、13人が悶絶。
目を開けるとその手には「
「何これ?お経?」
「なんでお経?」
「あの三機のメタルクベーラの使い方と戦い方はその如意輪陀羅尼神呪経が教えてくれる。困った時、力を欲す時にはその経を開け!」
「ああそう言う事ね…」
「私は悪路王の元へ急がねばならぬ!後は岩代国と磐城国ん頼んだぞ!まつろわぬ民の末裔よ…!」
田村麻呂はそのように言い残すと、三機を再び清い光のエネルギー球体に変えると、うつくしま寮に融合させた。
「マシンが光の球になって寮に入ってった!」
「もう何がなんだか…?」
「オラほうの寮が〜まだローン残ってんのに〜!!」
さらに異空間全体を光で包み、田村麻呂自身は消え去ると共に13人とうつくしま寮を現実世界に転移・元の場所に戻した。
だがうつくしま寮には、三機のメタルクベーラが田村麻呂の手によって宿ってしまった、わ
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