超訳田村草子・新世紀陸奥話記〜東北防衛ロボットと巫女達の伝説〜

融合合身！ミヤギレイバー

石巻市街地

旧北上川河口に群がる不法停留船舶に帝鮫は目をつけた。

だがそこへ上空から、ミヤギフォートレスが石巻市街地上空に現れた。

ミヤギフォートレス内司令室(日高見神社社務所)

「敵機確認！」

「あれか！なんたらでっけぇ鮫だこと」

帝鮫の大きさを見て改めて瞬ぐ10人。

「睦弥！なんじょ（どう）したらいい！？」

祈音が司令室のモニターから睦弥に話しかける。

すると丹野舞が光る防護ボタンを見つける。

「うん？何か光ってるけどこれって？」

「ミヤギトランジット射出ボタンです！これで敵をめがけてミヤギトランジットをミヤギフォートレスから発進させることができます！」

「そんな体当たりな事祈音ちゃんにはさせられないよ！！」

「大丈夫！聞いてください早坂先輩！！ミヤギトランジットを羅刹夷目掛けて発射します！そうしたらすぐさま早坂先輩は十一面神呪心経を開き、「融合（ゆうごう）合身（がっしん）」と唱えてください！後は先輩次第です！！」

「融合合身！？何やそれ？」

「とにかくそれしか手はありません！敵はこちらに敵意を向けてきました！」

睦弥が祈音と舞に向けて説明している間に帝鮫はその大顎から禍々しい光線をミヤギフォートレスに標準を定めていた。

「わがった！舞、頼む！」

「舞さん、お願いします！」

「わ、わかった…祈音ちゃんの無事を祈って…ミヤギトランジット、射出っ！！」

－ガシャン

オペレーターとなった舞の手によって防護ガラスが破られ、ミヤギトランジット射出ボタンが押された。

－グゴォォォ

－グィーン

前方のミヤギフリートが左右に分かれ、ミヤギバトルシップ内部から発射台が伸びてきた。

「ミヤギトランジット、発進っ！！」

－ガコン

－ギュルルル

－ブォオオン

ミヤギフォートレスから帝鮫目掛けてミヤギトランジットを発進させた祈音。

慌てたのかどす黒い収束波をミヤギフォートレス目掛けて放つ帝鮫。

「今です！早坂先輩！」

「融合合身！」

早坂祈音が十一面神呪心経を開き、“融合合身”と唱えると、祈音は一旦ミヤギトランジットから離脱。

ミヤギトランジットは車体を回転させ、車体後部は両脚に、車体前部は真っ二つに割れて人型の顔と胴体が出現し、割れた全部は展開して腕になった。

ミヤギトランジットは人型ロボットに変形したのだった。

それに十一面神呪心経から放たれた光に包み込まれた早坂祈音が光のエネルギー体となって人型ロボット胸部にあるクリスタルに融合。

人型ロボット全身に祈音の意思が行き渡り、早坂祈音と気仙沼線BRT型メカ、ミヤギトランジットとの変形合体が完成した。

「ミヤギレイバー！！」