出撃!ミヤギフォートレス
石巻市日高見神社
本殿も社務所も田村麻呂によって異空間から戻された後、何事も無かったかのように元に戻っていた。
「い…今のは一体…?」
「夢だべ絶対?」
「
郷土研究部の早坂祈音がテーブルに異空間で田村麻呂から賜った、“十一面神呪心経”を取り出すと、他の生徒も取り出した。
「やっぱ夢でねだったんだなや…」
顧問教師の庄子愛子も十一面神呪心経を持っていた。
すると、全員の十一面神呪心経が光り輝いた。
「お経が?光った!?」
「んな馬鹿くせぇ……」
金華山黄金山神社の神職の資格をもつ猪股睦弥が十一面神呪心経を開くと、十一面神呪心経には、羅刹夷「帝鮫」が北上川河口の違法係留船を食い荒らす様子が映し出されていた。
「こ、これは!?」
「田村麻呂の言っていた手の回らない鬼、“羅刹夷”です!」
「羅刹夷!?」
「羅刹は人の心を食い荒らす鬼神。蝦夷の夷が付くのは“まつろわぬ人殺しの鬼神”という意味でしょう!?」
「なんちゅう
「だから田村麻呂が我々に与えてくれたじゃないですか!宮城防衛マシン「メタルクベーラ」を!」
「そうか!田村麻呂はこの時のために!」
睦弥の説明に全員が納得した。
「して、その“メタルクベーラ”とやらはどうやって起動させるの?」
「はい、起動させますからみなさん、座布団の上に座ってください!」
「はぁ!?
「大真面目です!!私と先生と生徒会長は上座に!後は部長毎に上座から順に座ってください!!」
睦弥に言われた通り、睦弥から肩書き順にテーブルを囲み座布団に座り、十一面神呪心経に十一面観音真言を唱えながら睦弥のテーブルの目の前にセットすると…
「
-グゴゴゴ
社務所一体に光が走り、揺れが走る。
「また地震だて!!伏せろ!!」
「違いますよ、これは司令室として地下の“ミヤギバトルシップ”に降下中なんですよ」
「なんだって!!?」
睦弥のいう通りだった。
日高見神社社務所は油圧ジョッキで地下に降下。
その過程で純和風の作りだった社務所の広間はSFアニメに出てくるような巨大なスクリーンで埋め尽くされ、さながら“司令室”へと変化した。
その途上、
-パカッ
「わっ…」
「祈音ちゃん!?」
「早坂先輩!?」
「早坂先生は選ばれたんですよ。このメタルクベーラのメインパイロットに…」
早坂祈音の座っていた座布団の下が急に空洞となり、祈音は座布団に乗せられるように降下していった。
その過程で、日高見高校の制服の上からブレザージャケットとネクタイを脱ぎ、戦闘服と思しき
「じゃじゃじゃなんだでこれ〜!?」
「恐らくそれが北天の巫女としての戦闘装束なんだと思います。まずは隣の“ミヤギトランジット”に乗り込んでください!」
「ミヤギトランジットって、この気仙沼線BRT型メカか?」
十一面神呪心経を介して睦弥と通信する祈音。
祈音は気仙沼線BRT型メカ“ミヤギトランジット”の操縦席に乗り込んだ。
-ガコン
-ゴゴゴ
「え?あれ?」
ミヤギトランジットは大型フェリー型メカ“ミヤギバトルシップ”に格納された。
-ガコン
「ミヤギバトルシップとの接続完了!」
「ミヤギトランジット格納及び接続完了!」
「操縦系統移ります!」
司令室に変形した日高見神社社務所は司令室となってミヤギバトルシップに格納された。
次に前から大型空母型メカ“ミヤギフリート”が出現し、ミヤギバトルシップの前に連結。
「陸前合体、成功!ミヤギフォートレス!」
「聞こえます?早坂部長?」
「ああ、バッチリだよ!」
睦弥と祈音は十一面神呪心経をトランシーバーの要領で通信アイテムとして会話していた。
-グイーン
田村麻呂の神通力で作られたであろう地下の秘密基地から、ミヤギフォートレスが進水箇所まで自動搬出されていく。
-ガコーン
「進水!!」
-ザザザ
祈音の指示で地下水路に進水するミヤギフォートレス。
地下水路の先には北上川が広がっており、自動で地下水路から北上川に進水し出現するミヤギフォートレス。
「ミヤギフォートレス、発進!!」
-ドゴォ
超大型戦闘空母ミヤギフォートレスは北上川を進水、発進した。
-ガチャ
「飛行形態!」
-バタン
-グォーン
祈音がミヤギトランジット内のギアを切り替えると、ミヤギフォートレス後部のミヤギバトルシップ部に尾翼が展開され、飛行モードに入った。
飛行モードに入ったミヤギフォートレスは北上川を離れ石巻市街地を目指して飛行した。
-ゴゴゴ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます