二,for World...

謎の文字を目撃してから数時間後。 夕食を終え、風呂に入り歯磨きも終えたシタクサは自室で好きな音楽を聞きながら、何故自分が倒れたかを考えていた。 そしてあのイタズラはなんだったのかを…。

あの文字はどこかのヤンキーがイタズラで書いた可能性が高い。 だが俺が倒れた理由はまだ分からない。

普通、倒れる時はめまいなどの症状が現れるがシタクサの場合、電流が身体に流れたのだ。

(未発見の病か?)

シタクサはそう思うと、次の高校の休みに病院にでも行こうと考えていた。

…だがその時、先程の電流とラクガキ。全ての話が繋がった。

「キュュュンッッッ!!」

「…!?」

外からガラスの器にフォークを摩った時のような、気に障る嫌な音が聞こえてきた。 その音は高く、シタクサは思わずビクッとして驚いた。

こんな音は聞いた事がない。 明らかに何か生き物の鳴き声だ。なんの生物だろうか。

シタクサは少しだけ興味を持ち、部屋の窓から外を見た。 するとそこに見えたのは驚くべき世界だった。

「キュルルル…?」

何か一つ目、球体の生命体がフワフワと浮いていた。

「なんだ…あれ…!」

シタクサは驚きのあまり、脳の思考が追いつかないでいる。シタクサはその目玉をジッと見ていると、目玉もこちらをジッと見つめ、目が合った。

(やばい! 目が合った!!)

シタクサはそう危機感を感じると窓から覗くのを止めた。 そしてそれから数秒後。 再び窓からチラッと様子を伺う為に覗いた。

「…キュュル…」

(なんか近づいてる…)

目玉が明らかにこちらに向かって近付いている。

(逃げないと…!)

シタクサがそう思った矢先。

「キュュルアッッッ!!」

「グハッッ!?」

部屋の壁が目玉に突撃され、思い切りぶち壊された。

そして思い切り突撃されたシタクサは目玉に片腕を噛まれたままでいた。

「くっ…!? なんだこいつ! 離せ!!」

シタクサは目玉を力一杯に殴っていたが目玉に効いている様子は全くない。 このままでは死んでしまうと察したがこれはどうにもならない。

『思い出せ…。 記憶を…』

(…!?)

突如、脳内に何かの声が響いた。 シタクサの脳内は冷静では無かった。 だがシタクサは辛うじて考えれる事を考えた。

(思い出せ…。)

そう考えると思い出した。 全ての繋がりを…。

「【剣】!!」

シタクサが右手を天にかかげてそう叫んだ。

するとみるみるうちに右手に電気が走った。 だがあの時のように倒れるようなことは無かった。 そして電光石火の速さで身体を巡り、右手に電気で出来た剣が出来た。

「おりゃあ!!」

「キュュュン…」

剣に斬りつけられた目玉は真っ二つに割れ。 黒い煙と共に姿を消した。

「助かったのか…?」

シタクサはそう安心で力が抜け、その場に座り込んだ。 そして壊れた壁の方をチラッと見た。

「こ、壊れてない…!?」




―――後から脳内で何者かに伝えられた。

どうやら先程の怪物は『セルヴィーツィオ』という生命体の一種らしい。 普通の生命体には見えない。

その『セルヴィーツィオ』と戦う時は結界を張らないといけないらしい。 先程の戦いの時は声の主が代わりに張ったと言っていた。結界はいくら物を壊しても実際には壊れてないという不思議な事が起こるらしい。

俺の使命は『セルヴィーツィオ』を消し去り、この世を夜。守ることだという。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る