サキュバスに転生してる元日本人アマリエッタさんと英雄の1人夢想権之助師匠
我が心の友・
それを知って俺は1つ大人になった。
お前は今どうしてる?いまだにボカロに命をかけてるのか?
高校生になったらラーメン屋でバイトするって言ってたけど、大きな声で、いらっしゃいませって言えてるか? 社会人は辛いぞ。
せっかくお前と同じ共学の高校に受かったんだから、俺も高校に行きたかったな。
拓斗の日記より一部抜粋。
今日は、ダンジョンアタックお休みの日。
木製のペーパーナイフも5本作ったから、師匠の所に棒術・槍術の訓練に行くんだ。
師匠の家に最低でも、2日に1回のペースで行く理由は棒術や槍術を習う事だけじゃない。
師匠の奥さんの日本人転生者で、サキュバスのアマリエッタさんに、何処に向けたら良いか分からない俺の
冒険者ギルド併設の宿屋からギルドのロビーに抜ける廊下を歩いてたら、出会っちゃった。
「おはようございます、
目の前に、サラサラの長髪で爽やかスマイルで、細マッチョで、少しだけ日焼けした爽やかイケメンで、元京大生の転移者で1級冒険者の22歳の東海林さんが、14歳の男の娘・狐獣人のピッケ君を連れて鑑定カウンターに宝箱を乗せる所だった。
「おっ。拓斗君おはよう。今日もソロかい?そろそろ仲間を勧誘したら良いのに、中級クラスに上がれないよ。」
(大きなお世話です)
ピッケ君の持ってる幻惑ワンドも同じくね。
「おはようございます、ゴブタクさん。今日もゴブリンですか?」
(ムカつくなあコイツ)
ショートカットで顔立ちが可愛いキツネ耳の女の子ぽっいけど、チン〇ン付いてる癖に。
幻惑ワンドに付いてる、石ころから裏技で変化させた上級闇魔石が無いと、幻惑魔術の発動すら出来ない癖に。
(なんで短いスカート履いてるんだ! チ〇ポ付いてる癖に)
「今日は、師匠の所で棒術の基礎練習をしてきます。最近、少し身長が伸びて感覚が変化したので。」
2ヶ月くらい前に計った時は162cmだったのが、今朝は168cmになってたんだ。
初めて女性のオッパイ揉んだからかな?少しだけ大人になれた気がする。
「それは素晴らしい考えだね。基礎って大切だもんな。」
素晴らしいって言ってくれる東海林さん。
この人を本気で嫌いになれないんだよな、だってすごく努力家なんだもん。
剣道を3歳の頃から本気でやってて、高校の時は個人でも団体でも全国大会出場経験もあるんだそうだ。
高校生最後の大会で大将だった自分が負けたせいで団体戦で優勝を逃した時は、関係者全員に謝ったって言ってた。
誰も責めない所どころか、お前が居たからここまで来れたって励まして貰ったって、素晴らしい青春時代だな。
(同感)
勉強も沢山したらしく、関西にある国立の一流大学に現役合格して法学を学んだそうだ。剣道を続けながら。
社会に出たら、世の中の為になる事をしたいって夢があって、だけど死んじゃった。
死んで異世界こっちに転生したらしい、三年ほど前に。
死因は、冷蔵庫に入ってた牛乳をお風呂上がりに一気飲みしたら、変な味がして。
でも卒業論文を書いてて疲れてたから、そのまま眠ったら死んじゃっただって。
俺は知ってる、中学二年の時に夕方のニュースで見たもん。
大学生のイケメンが農薬入りの牛乳を飲んで死亡してた。
農薬を入れたのは、近所に住む被害者と
東海林さんに、事件の後日談を知ってる事は教えてない。
「頑張ってね、ゴブタク君。」
狐獣人の男の娘ピッケ君よ、やはり君もゴブリンスレイヤーを馬鹿にするんだな……。
(別に良いけどな)
苦笑いの東海林さん、気にしなくて良いですよ、慣れてますからゴブタクって呼ばれるの。
(悔しいだろうな)
ギルドのロビーに来たら、受け付けに座ってるシャミイさんが立ち上がって。
「ちゃんと抜いたか?ゴブタク。抜かないと健康に悪いぞ。」
なんて、とんでもない事を言ってくれた。
1番安い相部屋の大部屋で寝てるのに、隣に誰か寝てるのに抜けますか? 僕は抜けません。
「相変わらずおっさん臭い下ネタ大好きですねシャミイさん。おはようございます。」
普通に対応するのが1番。
「シャミイ、フラれたな。今日の昼のエールは、お前のおごりだぞ。」
また賭けてんのかよボンゴさん。
「今日は師匠の所に行くので遅くなりますね。」
受付に行先を告げておかないと、宿屋の入口の鍵を閉められたら大変だからな。
言ってさえおけば朝まで開けてくれてる。
「あんたが最後だったらちゃんと鍵を掛けるんだよ。」
「はい。了解しました。」
嬉しいじゃないですか。
冒険者ギルド右隣の建物が探索者ギルド。
左隣の建物がダンジョンモンスターギルドなんだけど、探索者ギルドの先の方に向かって3つ目の交差点を右に曲がって200mくらい真っ直ぐ行けば師匠の自宅兼道場がある。
「おはようございます拓斗さん、先日はやられました。今度は返り討ちにしますからね。」
師匠の家に行こうと歩いてたら挨拶してくれた、ダンジョンモンスターギルド所属のゴブリンさんで、ガオパさん。
先日ゴブリン洞窟にミルクさんと行った時に槍の石突きで胸を貫いて倒したゴブリンさんだ。
「おはようございますガオパさん。返り討ちにされませんよ。最近ゴブリンの皆さんに、少しずつ槍の動きに対応されつつありますから、ちょっと師匠の所で修行してきます。」
この世界のダンジョンは、冒険者もモンスターも死んだりしない。
ダンジョン内で死んだら粒子に変わってダンジョン入口横にある魔法陣で復活する。冒険者もモンスターも。
冒険者がモンスターを倒したら、モンスターが所持してる確定ドロップの魔石やレアドロップのダンジョンの特産品を1つ入手出来る。
ダンジョンモンスターは、冒険者の持ってる1番高い所持品を1つ入手出来る。それと別に月給制。
この世界のダンジョンには、そんなルールがある。
これは、絶対的なルールで異存は認められない。
文句を言えば冥界に叩き落とされる。
(夜と月の女神・ルミナスに)
「拓斗さんが更に強くなるなら、私達も連携の修行をしてこなければいけませんね、レオニダス師匠の所で。」
負けませんよガオパさん、返り討ちにしますからね拓斗さん。
そんな挨拶をしながらお互いに自分の目的地に向かう。
5人目の子供が産まれて頑張ってるんだよなガオパさん、頑張れパパさん。
やっと師匠の家に着いた、なんかここまで長かった。
「おはようございます、師匠いますかー?」
門の前で大きな声で叫ぶ、これが夢想権之助棒術槍術道場のルール。
門弟は俺一人なんだけどね。
和風の建物なのに、大門の上に筆記体のアルファベットで夢想権之助道場って書いてある看板の違和感が凄い。
「おはよ、たっくん。うちの人ってまだ寝てるのよね、昨日も激しかったから。」
待つこと30秒くらい、大門の横のくぐり戸を開けて顔を出したのは、師匠の奥さんでめちゃくちゃエッチな外見のサキュバスの美人さん、アマリエッタさん。
「おはようございますアマリエッタさん。何時位まで頑張ってたんですか師匠は?」
ネグリジェって言うの……
スケスケのパジャマ姿で口元のホクロと、形のいい巨乳と、くびれた腰と、プリプリのお尻と、ツヤツヤの尻尾がエロいアマリエッタさんに聞いてみる。
「30分くらい前まで♡」
ついさっきじゃん。
俺はギルドの食堂で朝ごはん食べてたよ。
「しばらく1人で
くぐり戸を抜けながらアマリエッタさんに予定を話すと。
「その前に、抜いてあげないとね。苦しそうだもんね♡」
そう言われて、ふわりと頭を両手で抱えられる。
その瞬間に、はち切れそうな性欲が抜けていく、頭から湯気になって。
おかげでスッキリだ。
「いつもありがとうございます。スケベですいません。」
こうやって貰わないと、夢精しそうで怖いんだ。
さすがに相部屋の大部屋で夢精はしたくないからな。
「良いの良いの、童貞君の性欲なんて美味しくて元気になるだけだから。溜まったら何時でも来なさい。」
ありがとうございますと、もう一度頭を下げて道場の方に向かう。
アマリエッタさんの後ろ姿、尾てい骨の部分から生えてる黒くて細いツヤツヤの尻尾がフリフリと揺れていた。
師匠を起こしてもう一発ヤル気だな。
頑張れ師匠。
(羨ましいくなんてないよ、そんな夫婦生活)
道場に入る。
道場の床は土剥き出し、板の間じゃないぞ。
これには理由がある。
木材が高くて買えません。
だって大きなサイズの木材って、基本的に中級森林ダンジョンのドロップ品だから。
100坪ほどある道場の床板に出来る量を用意しようと思ったら、門弟が俺一人じゃ足りません。
(沢山月謝が必要だな)
最初にする事は、地面を清める事。
初心者ダンジョンのレアドロップでもある塩を撒く。
次にトンボで地面を慣らす、この時に塩を均一になるように慣らすのがコツだ。
雑草が生えにくくなるからね。
慣らしながら石ころがあったら拾う、拾って魔法鞄に入れる。
裏技で変化させて魔石にするために。
壁を拭いて、神棚に置いてある湯呑みの水を変える。
壁に掛かっている10本の棒と5本の槍を綺麗に拭く。
終わったら道場の入口まで戻って、1度礼をして入る。
権之助師匠から、これだけは毎回やりなさいって言われてる。
綺麗な道場で修行するのは楽しいから嫌じゃ無い。
「拓斗、世界が黄色いぞ。こっちで眠らせてくれ。」
やっと来た夢想権之助師匠、夢想流の創始者で凄い棒術使いなんだ。
門弟は俺一人だけど。
「おはようございます師匠、今日も宜しくお願いします。」
俺の挨拶が終わる前に、崩れ落ちて寝てしまった。
道場の端っこにある長椅子まで運んで、毛布を掛けといた。
師匠、
夢想流には筋トレ的な奴は無い。なんでか知らないけど無い。師匠も教えてくれない。
(たぶん師匠が嫌いだからだと思う)
重いと思ったら軽い槍に変えなさい。
穂先が危ないと思ったら棍を持ちなさい。
勝てないと思う相手に挑む事は、蛮勇であるから止めなさい。
無駄な動きは排除しなさい。
型も大切だが、常に臨機応変に対応しなさい。
突きは、事の起こりが見破られ安いから突きを主体にするなら後の先を取りなさい。
型の練習をする時は、相手が居ると思ってやりなさい。
常に実践を想定しなさい。
自室であろうと常在戦場の心構えで生きなさい。
夢想流九ヶ条を読んでから型の練習に入る。
でも2つしか無いんだよな型って。
1つ目、打ち上げて打ち下ろす。後ろに下がりながら石突きで薙ぐ。
2つ目、足を払い、返す動きで首を払う。後ろに1歩下がって元に戻る。
この2つだけ。
あとは師匠との打ち込み練習くらい。
だから
辞めて
(確かに十文字槍はカッコイイもんな)
でもほっとけないんだよ師匠ってさ。
殺すのが武術だろ? それなのにさ、捕まえる、捕縛する武術があっても良いだろ。
なんて言ってる。
師匠カッコイイぞ。
(爺さんだけどな)
結局師匠は夕方まで起きて来なかった。
起きて直ぐに夜ご飯、俺も一緒に食べさせて貰ってる。
「師匠。今月の月謝です、お納めください。」
封筒に入れた月謝を師匠に渡す。中身は1万5000円。
「うむ、毎月ありがとうな拓斗。」
師匠は60歳なんだけど江戸時代の人だから、令和の60歳と比べるとだいぶ老けてる。
「お肉ダンジョンに行ってきますから、今度焼き鳥でも食べませんか?」
師匠って自分で戦えば、めちゃくちゃ強いのに、後進の指導しかやらんと言って、殆どダンジョンに行かないんだ。
「焼き鳥か、美味い酒が必要じゃな。しかし拓斗、無理はするなよ。」
「そうよ、たっくん、無理はしないでね。これでも
二人とも凄く優しい。
俺が
貯えがあるなら道場の床板くらい買えるだろ……
「はい。初級肉ダンジョン・ゴブリンの森に行きますから。」
それなら大丈夫そうだなと言っている権之助師匠とアマリエッタさんと、3人で湯豆腐を食べる。
師匠の好きな砂ずりとアマリエッタさんの好きな皮がドロップすると良いな。
冒険者ギルド併設の宿屋に戻ってきたら、鍵が閉まってた。仕方ないから道場に戻って長椅子の上で寝た。
師匠とアマリエッタさんの夜の
激しすぎ。
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