第4話 彼女との勉強会

僕の名前は恩田智樹。

毎度のことだが僕には富田優子という幼馴染の彼女が居る。


彼女は容姿だけでなく勉強もスポーツもトップクラス・・・って前も言った気がするけど、今日はそんな優子に勉強を教えてもらっている。

何故なら・・・思った以上に中間試験の成績が悪かったからだ。

期末試験で挽回しないと・・・夏休みの補講とかだけは勘弁だよ。


「ここはどう解けばいいんだ?」

「これは、この公式を使って・・・」

「お、なるほど!優子は教えるのも上手いよな」

「お世辞言ったって駄目よ。智樹だって川野辺に合格したんだし中学の頃はそこまで成績悪くはなかったでしょ?」

「そうは言ってもねぇ・・・」


「・・・最近智樹じゃ私に釣り合わないとか言ってるやつらがいるんだよ。好き勝手言って無性に腹が立つんだよね。私は別に気にしないけどさ・・・」

「・・・・・」


確かにそうなんだよな。

普通に考えると僕みたいな普通の男が完璧美少女な優子の隣に立つなんてありえないんだ。

だから、そいつらの言うこともわからなくはない。

昨日だって・・・


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昼休み。

僕は隣のクラスの岩田に校舎裏に呼び出された。

確か前に優子に告白してフラれたサッカー部のイケメン君だ。


「で、こんなとこに呼び出して僕に何の用?楽しい話じゃないよね?」


校舎裏に着くと岩田が不機嫌そうな顔をして僕を睨んできた。


「恩田。君は幼馴染というだけで富田さんに好意を持たれてるにすぎない。彼女には僕の様な男が似合うんだ。違うか?」


何言ってんだこいつ?似合うも似合わないも僕が決めることじゃないだろ?

確かに岩田は成績も上位だし運動神経も良い。僕よりは優子にお似合いかもしれないけどさ・・・


「まぁ僕をフって君みたいなのを選ぶんだから富田さんも見る目が無いんだよ。それに粗野で言葉使いも悪いし折角僕が付き合って教育してやろうとか思ってたのに馬鹿な女だよ」


前言撤回だな。こいつ・・・全然優子の事わかってないわ。

それに"教育"とか何様のつもりだよこいつ。


「・・・あいつってさ喧嘩っ早いしかなり乱暴だけど優しいところだってあるし言葉使いだって場の雰囲気で使いわけてる。そんなことも分からないのか?

 それにお前みたいに人に価値観押し付ける様な奴はな・・・優子が一番嫌いなタイプだぞ」

「う うるさい!偉そうに。お前見たいな底辺にそんな事言う権利はない!」


岩田は顔を赤くしながら僕に殴りかかってきた。

いるよな困ると暴力に訴えて来る奴・・・でも偉そうなこと言ってるだけあってそれなりにスピードの乗ったパンチだ。

だけど・・・僕はパンチを躱し膝を山本の腹にくらわせた。


「ぐうぅ」


痛そうに膝をつく山本。

カウンターだから結構効いたはず。悪いけど相手が優子だから普段手を出さないだけで僕も道場には半ば強引に通わされてたんだ。体力はそんなに無いけど僕だってそこそこ強いんだよ。

それにさっきみたいな言い方を優子にしたらこんなもんじゃ済まないよ多分。


「やっぱり僕は優子の事が好きなんだ。それにあいつの事を僕以上にわかってるやつはいない。確かに僕はあいつに釣り合わないかもしれないけど・・・いつかあいつに追いついて釣り合う男になる。だからあいつの隣も譲るつもりもない。何か文句あるなら物理的に叩き潰すぞ(って前に優子が言ってた)」

「わ わかった、、僕が悪かった。君たちはお似合いだよ(乱暴者同士でな)」


とお腹を押さえながら校舎へと戻っていった。


「全く・・・折角の昼休みが・・・・」





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「ふぅ。ちょいと休憩」

「休憩ってまだ始めたばかりじゃん。少しやる気出しなさいよ!」

「休憩したら本気出す・・・」

「もう!私に釣り合う男になるんでしょ?喧嘩っ早いと乱暴ってのは余計だったけど"あいつの事を僕以上にわかってるやつはいない"とか"やっぱり僕は優子の事が好きなんだ"とかちょっと感動したんだからね」


え?もしかして聞いてたのあれ?

っていうかあの場に居たの?


「ちょ!それ!どこから聞いてたんだよ!」


メチャクチャ 恥ずかしいんだけど・・・本人前に僕って


「瑞樹がさ・・・智樹が岩田の奴に呼び出されたって聞いてとりあえず定番の校舎裏行ったらさ・・・ちょうど智樹が岩田に啖呵切ってるところで・・・」


うわ・・・結構序盤じゃん。


「あの時のセリフ・・・あれ嘘だったの?」

「わ わかったよ。頑張ります」

「よろしい!じゃ気合入れて勉強するよ!」


・・・やっぱりまだまだ彼女にはかないません。

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