第10話 彼女とのお正月
僕の名前は恩田智樹。
早いもので幼馴染の富田 優子と付き合ってい始めてからもう半年が経つ。
小さい頃からいつも一緒だったけど今は恋人だ。
何度もデートしたし、昔より2人の距離は近づいたと思っている。
そんな彼女は今うちの居間で、こたつに入ってスマホを弄りくつろでいる。
もう一度言っておくけど"僕の家"でだ。
ちなみに今日は正月。
姉貴は勝負下着を着けて小宮先輩の家に乗りこんで行ったし(小宮先輩!正月早々すみません!)、両親は年明けの挨拶という名目で優子の両親と近所にある馴染みの中華料理屋へ飲みに行ってしまった(あそこのエビチリ美味いんだよななぁ~)
話はそれたがつまり、家には僕と優子の2人きりの状態だ。
「なぁ、僕達って恋人同士なんだよね」
「うん。この間も一緒に遊園地にデート行ったでしょ?」
「あぁ ジェットコースターばかり乗るから吐くかと思ったわ・・・」
「まだまだ修行が足りないわね」
確かにあれば修行レベルだった・・・
3種類のコースターを3セットも乗るとかどういうことだよ。
「学校とかも一緒に行くようにしてるし、お昼も一緒にお弁当食べてるじゃん」
「じゃなくて、クリスマスとかのイベントはバラバラで過ごしただろ?」
「まぁ・・あれはゴメン。でも私は私で付き合いとかもあるから」
そう。優子と付き合うことになったんだから、世の恋人たちが過ごすようなイチャイチャなクリスマスを過ごせるとか淡い期待をしてたんだけど、色々な誤解やすれ違いもあり優子は同じクラスの女子友と女子会をするということで結局一緒にはいられなかった。
仕方ないのでバイト入れたよ僕。
まぁクリスマスってことでバイト先の喫茶店も混雑してたからマスターも喜んでたし、特別手当もくれたけどね。
まぁそれはそれとして結果的に僕はバイト後もぼっちなクリスマスを過ごしたんだ。姉貴はもとより両親も年甲斐もなくデートとか言って出掛けちゃうし家に一人きり・・・彼女が出来たはずなのに例年のクリスマス以上に寂しい日だった。
「確かにボッチにしてバイトさせちゃったのは悪いと思ってるけど・・
もしかして・・・クリスマスとか私とエッチな事期待してたりした?」
「そ そういうわけではないけどさぁ 2人きりで過ごせると思って少しは期待はしてたさ。そもそも優子は僕の事どう思ってるんだよ。
前に好きとは言ってくれたけど、その後も口調も態度も前と変わらないし・・・」
「そういうわけでは無いんだ。ふ~ん。
私は・・・ちょっと期待しちゃったんだけどな♪
智樹の事は好きだし求められれば・・・・私だって」
「え?そ それって・・・」
少し頬を赤らめ上目遣いで僕を見る優子。
も もしかして求めればOKっこと?
告白の後にキスして以来・・・正直いい雰囲気になったことは何度かあったけど何も進展が無いんだよね。もしかして一気に進展できちゃうの?
「ただ、前にも言ったでしょ、私は一緒に居て楽にしてられる人が好きなの。
だから口調や態度を変に変えて自分を偽るつもりは無いよ。
・・・でも智樹が、そういうの嫌って言うなら・・・ちょっと考えるかも」
「・・・・・」
何この展開・・・もしかしてあの優子が僕にデレてる?
い いや待て、きっと何か裏があるんだ。
優子が僕に対してこんな事言うはずが・・・
そうだ!きっとエッチな事を求めたら"本気にしてやんの"とか言ってからかうつもりなんだ。そうじゃなきゃ僕なんかに。
そうか。でもそれなら逆に言う間を与えなければ。
よ よし!
「わかった。じゃあ優子とキスしたい」
「え?」
と優子の横に移動し返事をする前に彼女の肩を抱き寄せキスをした。
前のキスとは異なり舌を絡め大人なキスだ。
「んんん!!」
優子は何か言いながら暴れるが、僕も必死に彼女を抱きしめキスを続けた。
そして彼女の抵抗が弱くなってきたところで唇を離した。
優子は頬を赤らめ上気した顔をしている。
「きゅ 急にはズルいよ。わたしも心の準備が・・・」
殴られるか、怒鳴られるかと思ってたけど反応が違う・・・
何というか上気した顔に潤んだ瞳、元々美人だけど更に可愛く綺麗に見える。
もしかして僕は凄い勘違いしてるんじゃないか?
優子は本気で僕の求めることをって・・・
よし僕も男だ!
「優子!好きだ。き 君が欲しい!!」
「うん♡ 智樹」
僕は彼女を押し倒し再びキスを・・・・・
[バタン]
「たっだいまぁ~ あ、優子ちゃん来てるのかな? お土産あるよ~」
と玄関から姉貴の声が・・・・
「あれ?もしかして私ってお邪魔だったかな?」
「「・・・・・」」
僕のラブコメは、まだまだ完結しないようだ。
でも、彼女には少し対抗できるようになってきたかもしれません。
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以前「続・彼女にはかないません!」として投稿していた文書を一部修正したお話です。後少しで完結となります。
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