素敵な日

2.素敵な日

　次の日。

「甘い匂いがする。ねぇねぇ、ケーキ買ってー」

　イヌさんの親子が、買いに来てくれました。お子さんにせがまれたみたい。

「ふんわりいちごのベッドください！」

　こうして、新商品がお客さんの元へ行きました。

　イヌさんが帰った後、すぐにカワセミさんが買いに来てくれました。ふんわりいちごのベッドといちご畑にさそわれてを二つずつ。アシカさんとペンギンさんと食べるそう。八百屋のカラスさんも家族で来てくれました。おいしいいちごを持ってきてくれた、私達ケーキ屋には必要な方です。

　この後も新商品に興味を持ったみなさんが来てくれて、あっという間に全ての商品が売れていったの。お店を閉めた私はお父さんと今日という一日を振り返ったわ。

「今日はあっという間に終わってしまったわね」

「そうだね、季節商品も好評でよかったよ。早い時間に買っていって、おいしかったからとまた夕方に来てくれたお客さんもいたし……」

　お父さんはそう言いながら、冷蔵庫に手を伸ばしました。

「一緒に食べようと思って、別にしておいたんだ」

　いちごタルトを取り出して微笑みながら、タルトの上のチョコプレートをこちらに向けました。そこには「いつもありがとう」と書いてありました。

「まぁ、お父さんったら」

　とても嬉しかったわ。こんなことしてくれるなんて。

　それから二匹で仲良くいちごタルトを食べました。

　今日はこれで一日がおしまい。