絶望 

「どうなってんだ」店を出るとそう叫びたくなる。


例えいなくても、いかなければならない。まぁ所詮太樹はいないとは考えていなかった。


車を走らせる。マンションの前だ。もう自然に覚えた。部屋の番号を押して、ピンポンを鳴らす。


誰もいないか、いるかだと思う。

番号を押して呼び出しを押す。

「すいませんレイさんのお部屋ですよね」

「はい 以前住んでいた方で 私は高橋といいます」


「あのレイさんは 今どこにいるですか」

「そのレイさんは 実家に帰ったと聞いています。住所の方はお教えできません では」


そして 切れた。二度と押すことはなく。その場を後にする。


そして しばらくその場にいると車に乗って意味もなく走らせた。



真夜中の都心を走らせた。



家にいることは好きになれない。海の側まで車を止めた。そして眠りについた。


まだ 日は落ちている。




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