病院 西へ行く
「そうだ そこを曲がったら 角から3番目だ」
「了解 」
太樹はもうなにもしない。
「上に上がってきたら話す」
ピンポン ピンポン
「ちょっと 待ってくれ」
必死にドアまだ行き、ドアのノブを下ろした。
ガチャと戸倉が開けると倒れこむ。太樹だ。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫ではないけど なんとかなる」
「本当ですか?」
「車を取りにいってくれないか?」
「いいですか」
「頼む」
太樹は車の鍵を渡した。駐車場に行く道を教えた。
「すぐに戻ってきます」
「ありがとう」
人生でありがとうと言った最初である。太樹にとって最初である。
すぐにもどってきた戸倉。悪いズボンを履かせてくれる。身体を大きい戸倉は太樹も小さくないのだが軽々と持ち上げる。
「ズボンを持ってください
いきますよ」
「悪いな」
「いいですよ それより行きましょう」
肩を借りて歩くが、すぐに段差につまづきになりそうなる。
それを見ていた。
「僕の背中に乗ってください」
「悪いな 悪いな」
「いいですよ」
太樹は屈んだ背中に覆いかぶさった。そして車の中に乗り込んだ。
「どこに行きますか?」
「町田の近くにないか なにかその辺ことに気が回るところ」
「えっ そうだ・・・北里がとありますよ」
「北里 あっ思い出した そこに向かってくれ」
「はい」
246の初台から高速に乗る。道は混んでる。実に混んでる。道は車の駐車場のように混んでいる。
「全然動かないですね」
「そうだね」
時間進むにつれて上半身にも病状が追いついてきた。
時間との戦いとまでいかないが心臓がやばい。声が出なくなる。精神的な関係かわからないが声が出ない。
「悪い ちょっと寝かせてくれ」小さな声で断りを入れた。
少し走るとラジオを聴き、気に入らなかったのかカセットを聞き出した。
AKIΛVAの曲が入ってる。アキナの曲だ。寝ると本当に進行がはやくなる。
高速を降りている。いつまにか知らない道だ。知ってるのかもしれないが、夜道の上に右に左に曲がって忙しない。
飾りじゃないのよ、涙は
流れる曲に目が覚めた。上半身がだるい。
「もうすぐです」
「あぁ」
「左に曲がって あった ここだ」
「着いたか ありがとう」
「ちょっと待って ・・・緊急搬出口 あった」
上にパトランプが回ってる。
ドアを開けて「ちょっと 待ってください」
「あぁ」
そう言って駆け出すと2人の看護師を連れて戻ってきた。「身体が動かないです」と言いながら。
助手席を開けた。ドアの鍵を使って。
「どこか痛みはありませんか?」
「痛みは全くない。身体が末端から動かくなっているです」
「全く 動けないですか?」
「少し動かせるけど 歩くことは不可能です」
「わかりました」
ドアを大きくあけて、看護師が足をもって担ぐ。なかなか力のある人だ。
車椅子に乗せられて病院に運ばれてた。財布が車の中にある。「財布取ってきてくれる 車の中」
戸倉にそういうとすれ違った。そして病院入る少し前で戸倉 彼がきた。財布大きな財布をもって。
渡した。
「ありがとう このことは忘れない」
「いいですよ」
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