病気

「じゃあ」

「じゃあ」

車を出した。ルームミラーで鏡を見るとすぐにエレベーターに向かった。それが自然である。


なにを思って怒ることができる。キチガイではないのだ。太樹は普通であると思っている。


それ自体が間違いだとは思わない。全て周りに合わせればいいという感じだ。


あの日のことは脳裏から離れない。人は言葉より状況に従うということだ。


今も変わっていない。言葉ないからでも言える状況が変われば全てが変わることだ。


まぁ、そう大それたことでもない。


車をレイの家に向けた。それにしてもやけに高級住宅街と思うことがある。この辺じゃ普通に30万以上はすると思う。


いちいちそんなことは考えないことにしているが、高いだろうと太樹は思った。


そして太樹は素敵なマンションの一階につけた。10時はまだ過ぎてない。タバコを吸う。昔からお婆ちゃんが吸うマイルドセブンを吸っている。


タバコの火をつけて二本目に火をつけた時タクシーが止まった。

「待った」

「待ってないよ」


「本当に」

「本当だよ」


自棄に真剣受け答えに信じてしまう。太樹はそう思った。で仕方なく、

「まぁ 気にするなよ」

「まぁ・・・そんな感じ」


「車はビジター用に止めて置いて」

「あぁ それでいい 空いてるでしょう」


「まぁ 空いているね」

「車を止めに行く」


「そう ここで待ってるね」

「すぐ止めてくるよ」


手を大きく回して肩を抱く。嫌がらないレイは返って自分に抱きついてくる。


「酔ってる」

「そんなことない」


「顔が赤いよ」

「それは違うよ」


「ちょっと 待ってて」一生懸命鍵を出している。太樹は腕を解く。「あった あった」


なに鍵を差しこんで回すとドアが開く。当時は新鮮だった。玄関のドアが開く。


洗礼とした玄関 さすがレイが住む部屋って感じだね。


「ここさぁ 分譲だよね」

「私 わからない おじさんの持ち物のだから・・・それを借りてるの」


「そう」太樹はドアの前に来ると肩を組む手を解いた。鍵を開ける。


そしてドアをあける。流れ混む。部屋の中に。


キスして彼の身体を貪り食べていく。彼は今何も逆らうことはしない。レイの思うままにしてあげている。


今日の太樹はそんな感じだ。

笑ってる。微笑んでるのか。







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