後楽園

フリーフォール 太樹はすっかり意気消沈してしまった。逆にキョウコは元気いっぱいだ。


そして 昼を食べて、

「そろそろ帰る?」

「もう いいかな」


ぶつかってない問いと答えでそれ以上会話がなく家に帰ることになる。


このすれ違いが将来を予感させる。さておき話は戻る。



車に乗り、2人して帰宅した。彼は車を今済む家の前に起き、キョウコを下ろした。


車を遠いところに置いた。



朝 9:00に電話をする。社長のところに今日から出ます。

鍵を2つ作って置いた。昨日のことだ。一つはキョウコに渡し、最後の一つは自分がもらった。車の鍵につけた。


遠い場所に車を止めた理由かもしれない。



電話をして社長に断りを入れ、会社に出社する。

出かける前 

「一緒に行く」

「いいや」


「帰り遅いから 1万円を置いていくね」

「ありがとう」


車を遠くに置いた際もあってもう出かける。車まで遠距離を歩いた思い出がある。


今日は稼がないといけないと思ったことを思い出す。


初めての経験をアキナの曲に合わせて聴きながら出社した。


そして 毎日置いていくお金を増やした。ある日キョウコに尋ねた。お金を使っているように見えなかったので、

「お金いくら残ってる」

「ないよ」


「洋服でしょう 化粧品でしょう あとは色々消えた」

「そうなの?」


「そう」振り向きもしないかった。

「そうか」怒る気もなれなっかった。太樹はそのまま鍵を開けて出かけた。



「玲奈 そうレイのところにでも行くかな」

時代はバブルの最終局面、まだ 株価は落ちていなかった。


その日は売り上げがよく全てのカバンを売り尽くしていた。


懐が大きくなり、心持ちも豊富だった。ひとりショービスを見ていた。


「今日はレイは出てるの」

「今日は出ています」


「そういえば 久しぶりですね」

「あぁ 」


「では 御ゆっくり」

「・・・」


着替えてきたレイはどことなく、綺麗だった。

「はい いらしゃませ 乾杯」

「はい」


「ねぇ 綺麗になったね」

「そう 今やNo.1だからねぇ」


「凄いね それだけ出社してるんだ」

「えっ そんなこと言う」


「いきなり来て」

「いきなりしかコヨウがないよ」

従業員がレイの耳元で話をする。「いいよ行って来て僕はひとりぼっちだ」

「よくいうよ 全く」


「あそこの怖い人がご指名だ いってらしゃい」

「俺は逆らわないよ」小さな声で話をする。


「ちょっと待ってて てっぺんで体調が悪いってことで開けるから」


「そう じゃあ 部屋の前で待ってるよ」

「そういうこと」


「そう」

まだ株価は落ちていない。


お店をそのあとすぐ抜けた。もういる必要がない。会計を済ませ店を後にする。


お店を出たのは9:00だ。時計を見て家に戻ってお金を置いておこうと思った。


山手通りを通る。左に曲がってNHKを横にしながら渋谷に入る。実際表参道と言った方がわかりやすい。


家のビルの足元に車を止めた。エレベーターに誰も乗ってなく。5Fを押してすぐ様に乗った。


ドアを開けて、部屋を開ける。誰もいない。そんなことだと思ったと思いながらお金を自分の思いつくところに置いた。


汗くらい私服に隠したのだ。


そしてすぐさま戻ってきた。一か月のはずが半年継続した。キョウコは当時と違い。凄く綺麗になっているが、どうも好きになれない。


車を止めたところにキョウコがやってきた。

「今からみんなで飲んでいるところに行く」

「そう」


「これ 今日の分とお金を渡した」









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