渋谷 ベース

夜になっている。「ねぇ もう目が覚めた?」

「あぁ 」


「今何時?」

「えっー 9:50ぐらいかな」


「 何してたの?」

「テレビを見ていた」


「そう」

「電気もつかないで」


「怒るからさぁ」

「テレビの音も小さくして」


「どう顔の腫れ引いた?」

「あっ本当だ 引いてる」


太樹は顔を近づけていく。

「その白ワンピース可愛いね」

くちびるに触れると静かに裾を右手でまくる。

「シップ臭い」

と叫ぶキョウコを押し倒した。抵抗しない息遣いが荒くなっていく。


キョウコは自然に太樹に身体を委ねだ。暗闇にテレビの明かりがついている。




「シップくさいよ」

「そうかな 寝ない?」


「・・・いいけど」

「・・・」



「うるさいよ」

「ねぇ 白いワンピース脱いだ方がいいよ」


「でも 買ってないよ それぽいの」

「Tシャツ買わなかったの?」


「そう」

「じゃあ 俺の着なよ」


「どれ?」

「この辺あるけど ちょっと待てて」


「これで大丈夫」

「こっち見ないで」


「何言ってんの? まぁいいや」


「ブラジャーとった方」

「わかってる」


「はい はい」


暗闇の中で 洗濯してある物差しだした。

「何これTシャツね。なんて書いてあるの?」

「俺にもわからない」


「はい ありがとう」

ブラジャーを取ると立ってワンピースを抜ぎ、

両手を伸ばしてTシャツを着た。


背中にくついてきた。「痛い」

「痛くないでしょ」


「そうだね」

「そうだね」



朝日が目に染みる。太樹は目が覚めた。振り返るとキョウコは寝ている。


いつのまにか 反対側に丸まっている。


白のTシャツの柄が見えていた。


「おはよう」

「ムニュムニュ」としか応えない。


ゆっくりと起き上がり、布団を散らさないようにする。


朝は風呂だ。

静かに入る。起こさないようにしないとと考えて。

布団はそのまま 起き上がったままにした。


多少 キョウコのことを考えて気にしたけど。


やはり 20世期 ノストラダムスが流行っているだけあって 本人本位だ。



風呂に入った。上着を脱ぎ、ズボンを脱いでシャワーを浴びた。背中の傷は痛くない。


流石不死身の太樹 相変わらずの強いね。顔を洗い、身体を拭く程度で収める。


カラスの行水と言ったものだ。お風呂から出る。

バスタオルを巻き出てくる。キョウコは起きている。布団を見にくるんで、首までキョトンとしてこちらを見ている。


「起こしてくれればよかったのに」

「ごめん」


「今日 遊園地行かない?・・・そうだ

シップくさくないよ」

「本当」キョウコは大きな布団を纏って近づいてくる。


つかまってしまう。











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