当日

車はゆっくり福岡に入ってきた。すっかり日は落ちていた。


なにか食べようと食事をしたせいもあったのかも、時刻は7時を回ったぐらいだ。


「カラオケでも探す」

「いいね」


「どんな子がいいだい」

「えっ 別に」京らしい答えだ。


3人組が目の前を歩いている。カラオケボックスはそんな昔からはない。


「着いたよ」

「えっ」


「ほら あそこ車が止まってる」

「車を取りに行くだろう」


「鈴木 一生に行くか」

「はい」


車を降りた。太樹は2人の奇跡を見ている。ふと視点を外すと太樹を見ている子がいる。


太樹も車を降りたのだ。


視点が合う。「えっ ・・・」脚が止まる。それは太樹ではなく、3人組の1人だ。


「脚が止まった子にカラオケ知ってる?」

「なに なにわかないんよ」


『わかんないよ』という声が夜の街に拡がった気がした。


脚が動き出す。2人の仲から一際背の低い子が動きだす。まるで見ている方向が違う。


反対車線にいた1人の女の子がこっちに渡って来ようとする。「なに?なになに?」


1人歩くスピードが速い。行先とモチベーションが違う。「カラオケ」それがどうしたの?


もう近くまで来てる。手を出せば届きそうた。ヘッドライトが彼女の顔を明るくさせる。


一瞬だ。その光に反応して手で何か描いている。その手を引っ張って自分に近づかせる。


クラックシャンを鳴らした。彼女を驚いて身を縮ませる。太樹の腕の中で「危ないよ」


彼女を連れて

自分側の側道に出た。「なんだっけな そうだカラオケボックス知ってる? 普通のカラオケじゃなくて

カラオケボックスに行きたいだ」


「ねぇ 知ってる」

「それなら あるよ 今行って来たところ でもいっぱいだったんだ」


「うん そうか 大きな部屋ならあるんじゃない」

「そうかな 聞いてない」


「そこに場所教えてくれない」

「いいよ ところでこのナンバー 練馬」


「そうだよ 東京の ねぇ」

「そうだよ

あと2人も連れて行こうよ」


大きな声で声をかけた

「ねぇ いいよね ・・・雪 サッチ」

「ところで君の名前はなんていうの 」


「わたしは オキョン なんてねぇ」

「違うの?」


「違うよ 杏子 キョウコ」

「キョウコか

素敵な名前だね。のりなよ 助手席でいい」


太樹はドアを開けてエスコートする。「2人は後部座席でいいよね」


続けざけさまに2人にも 後部座席に開けてとエスコートする。


「ちょっと 待ってて 知り合いが2人が後からついてくる」


「行くよ」と言って車に乗り込んだ。大きなルームmirrorが気になる。

キョウコちゃん「なにそれ?」

「ルームミラーだよ」


「そんなデカイのつけなくていいんじゃない」

「そうだね」


「来た来た この道行けばいいのに」

「そうだよ」


「この道のあの辺かな」指を刺してアドバイスする。

「そう」


「もうそろそろかな」

「そうかな そこの駐車場の先にある

だよね 雪」

「そう そうここだよ」


砂利の駐車場に車を止めた。「ここかい」

「そうだよ」


車を降りてカラオケボックスの中に太樹が入っていく。


「悪いけど 6人なんだよね 男3人 女3人

入れる部屋ないかなぁ 大部屋でもいいけど」

「あっ あの部屋あるよね ちょっと待ってください」


「大丈夫?」

「はい 大丈夫です」


「大丈夫だって」と太樹は外にいるものに語った。

助手席を降りたキョウコが「何が大丈夫なの?」

「なにって 部屋が大丈夫なの」


「だって」大きな声が響く。「ありがとう」って小さな声で応えた。







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