前日 2

お店を出た。後ろに店の主人がいた。

「どうも」というが車にすぐに乗り込んだ。3人ですぐに乗り込んだ。ナンバー控えている。


気味が悪い。太樹は車に戻ると乗り込むのを見て発進させる。急発進にような凄い出足だった。


「おい 飛ばし過ぎじゃない」

「ちょっと アクセルを踏み過ぎたな」


「あのオヤジさぁ 聞き耳立てたろ」

「やはり あのオヤジ」


「この辺でやったのか、多分」

「なんでそう思う」


「社長の話だ」

「社長」


「ここに来るのは社長の提案だ」

「・・・そうなんだ」


少し走らせる。

「ここらでいいかかい?」

「ああ」


車を止めた。

「じゃあ 行こう」

「ああ」と京が答えた。


生命という大きな保険会社があった。車を駐車場に入れると太樹は駆け上がる。それに連れられてに2人も駆け上がる。


問題は気持ちの問題だと言わんばかりにその場に入り込むことだと。


ドアを開けると生保のお姉さん達が座っている。

「こんにちは」と声をかけた。

「こんにちは どうしたの?」と声をかけてくる。


尽かさず僕たち大学生なんですと、答える。実際には行っていない。勉強などやる気もしない。


太樹はそう思っていたが、ほかの2人のことは知らないが、京は高校も中退だ。


大きな鞄の中から小さな鞄を一つ二つ三つと出してくる。相手に持たせる。


「これひとつ取って触ってみてください。それ僕のデザインなんですよ。


大学の友達がこっちで展示会をやろうって言ってまして それで」


「ああ そうね」

「自分のデザインのもの展示できるのは嬉しいですよね 近くというか 離れてるですけど」


「これ僕のデザインなんですけど アドバイスしてもらって 参考にしたいなって 感じです」


「これケリー?」

「ケリーはもう少し大きいです」京が話をしてきた。


そして 相手にカバンを持たせて時間を稼ぐ。その内誰かが 言い出すまで待つ。

「これ凄い 値段がついているけど

買うとしたら この値段」


「ひとつひとつデザインしたものだから高いことは確かなんですけど 気に入ってくれたら お譲りしますよ  でもそんな安かできないですよ」



誰かが買うとあっという間に捌けてしまう。


「まぁ 見てください」


そういって時間を稼ぐ。京だからうまい。



あっという間に大きなボストンバックは捌けてしまった。


外に出ると車に乗り込む。慌てないゆっくりと車は出す。


「もう一軒 行くか」

「やめとこう」


「そうか」

「そうしょう 3日分 稼いだ 十分だよ」


「そうだ 福岡に入ったら カラオケでも行こう」

「あるかな」

















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