夜
いつのまにか日が落ちる。曲調変わった。
rock 'n' rollではなく、歌謡曲といわれる曲調だ。
テープを変えた。アキナの曲だ。
歌っている。大きな声で躊躇なく大声で歌っている。
暗くなる車内、外は暗くなるに従ってライトをつけていく。その中をレースをしている。
右に左に車を寄せて競いあっている。
前が開くと全開にする。そんな展開だ。
そんなことを7時に出たとして8時間強で福岡に着く、信じられない速さだ。
当時 何キロで走破したという記録はなかった。だからできた話だ。
福岡の街を二台で走る。
一回車を止めた。太樹が降りて相手のクルマに行く。
「どうするこれからいい時間じゃん」
「そうだな ホテルを探すか」
「いいんじゃない」
駅前に車は流れていく。
「ここでいいよな」
「ああ いいよ」
駅前のビジネスホテルという感じだ。
「シングル 3つをお願い」
他人のことを考えない、そんな時代の話である。
太樹は自分の部屋へ向かった。
この頃 携帯はあったが実に高い代物で役に立たない。もちろん、ポケベルはあったが、隣にいるもの渡してなにか役には立たなかった。
明日10時それだけが約束という話だけだ。
部屋に入るとすぐに寝た。この頃は何時間でも寝れた。
上着を脱ぎ、スボンを脱げばあっという間に寝支度完了だ。
この日は珍しく夜中に目が覚めた。不思議な感じだ。
目が覚めるも寝付けなかった。一旦起きて外に出る。
2時21分変な時間に目が覚めた。いつもならまた眠れるそんな時間帯だ。
さまように歩く。さてとどうしようかと思う。自分はなにをしたくてここにいるだろう。
お金があれば何かできるのではないのだろうか。でも今の僕には何もない。
エレベーターの前に灰皿があった。この時代人が集まるところには灰皿が置いてあったものだ。
今は置いてない。禁煙ブームだ。
タバコを吸った。だが、なにも思いつかない。次第に眠くなってきた。
次第に眠くなってきた。眠気がなくなる前に寝ておこう。
ホテルの部屋に入るとズボンを脱ぎ、着ていた服を脱ぐとそのまま寝るという感じだった。
一度も起きることなく、9:30だった。朝の9:30だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます