太樹は朝寝ないでレイを部屋を出た。レイは寝ていた。起こさないようにしながらゆっくりと部屋を出た。


太樹は寝ぼけながら、お金を稼ぐことに夢中だった。


昨日 昼間 京と話をした。彼は眉毛が薄かった。そういうことじゃないか。



『なぁ マコト 近くではなく、遠くに行かないか』

『えっ なんで』


『面が近くだと 割れてる気がしてさぁ』

『そういうなら いいけど 俺は特に構わない』


『なら いいこうよ』

『いつから 行くの』


『明日』

『明日 急だな』


『こういうもの 決めた日に行く それに明日は天気もいい』

『そう そりゃいい』


『明日』

『わかった』



それらの会話が昨日である。今は朝だ。


太樹は昨日内に用意した下着と洋服を何枚か畳むとバッグに入れた。


あとはお金の問題だ。と決め叩けていた。


友達の家に上がり、そして来たことを教えると駐車場に向かった。


鈴木が来る。一つ下の後輩である。

時代に逆らう気は全くない感じだ。

「鈴木 お前も来るのか」

「そうです 俺の車に乗れよ」


「いいよ 運転して」

「ああ はい」


「車 乗って」

「はい」


鍵を渡して、車を降りる。太樹はゆっくり微睡む景色の中を彷徨う。


助手席に座った。寝ている間に車は高速に乗っていた。もう一台来る。同じ色 グレードも同じ車はマークⅡだ。


気づかない内に高速道路に乗っている。今は人がいるところでは寝れない。


高速道路から足柄で二台続けて駐車する。


「おりますよ」

「・・・悪い まだ眠い」

車を降りていくと一度開けた瞳は閉じられない。不思議なものだ。


すっかり目が冴えてしまっている。目を閉じても気持ちいい感じはやってこない。


車から降りて運転席に回り込む。窓を上げてドアを閉めて鍵をかけた。


みんなが言った方向に向かう。足柄はまだ寒さを感じる。走る。「さみい(寒い)」


クラクションを鳴らされ「うるせぇよ」と怒鳴った。なんか言ってるので更なに後おいをする。


「なんだ 降りてこい」

「・・・」その車から人は降りてくることなく、止まることなく走り抜けた。


目が鋭くなっていた。ゆっくり歩きだす。気分が悪いと思いながら歩いていく。


周りを見ないで走り出したことが原因だが、そんな事は考えずクラクションに目を覚まされたことで十分だった。


そんな歳の頃だった。


「おはよう」みんな飯に夢中なのか、こっち見ない。

「俺も頼むかな」


「なんだよ お前も頼むのかよ」

「頼んじゃいけない」


「そんな事言ってねぇよ」

「同じ奴で 」

「同じ奴で」

「そう」


「そんなつつかんな」

「悪いな」


「さっき つつかってきた奴がいたから」

「そうか」


「鈴木」

「なに食べんてんだ生姜焼きです」


「そうか」



しばらくして鈴木は相手の車に移動した。同じ車だ。ただし中身は違う。


家族持ちの京の車は中は家族もちらしさを保っている。








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